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国際観光地化へ地域と一体/5号倶知安余市道路の早期完成目指す/新任開建部長リレーインタビュー <小樽> 柳原 優登 氏

2017/08/22付 連載・特集
柳原 優登 氏画像
やなぎはら・まさと
 平成23年札幌開建事業調整官、24年開発局道路維持課長、27年開発局工事管理課長。
 昭和36年4月12日生まれ、56歳。美瑛町出身。

―新任の印象と抱負

 初の後志管内勤務。土地勘も何も分からず不安といえば不安だが、自宅のある胆振(室蘭)と隣人という視点で先入観なく客観的に見られるのかなと思っている。
 倶知安ニセコ地区の国際観光地としての可能性にはリアリティがある。多くの課題もあると言われているが、管内の他の自治体も参加してどのように産業を活性化していくかにある。
 そもそも倶知安、ニセコの両町合わせても2万1,000人の人口しかいない。小樽開建が直接できることは倶知安余市道路の早期完成だ。通勤エリアを拡大して貢献できればと思う。直接、国ができないことでも「シーニック」や「わが村」「マリンビジョン」等の事業で、“つなぐ”役割を少しでも果たすことができればと思っている。

―本年度の主要事業

 河川では引き続き、洪水対策のハード対策として河道断面を確保するために尻別川豊国地区において河道掘削を行い、洪水被害の軽減を図る。また、危機管理型ハード対策として蘭越地区において堤防裏法尻をブロック等で補強し、越水した場合には深掘れの進行を遅らせることによって、決壊までの時間を引き延ばす対策を行う。
 道路では、ネットワーク整備、防災・震災対策、雪寒・防雪対策、老朽化対策、交通安全対策、無電柱化などを実施する。新規事業については5号大川3丁目交差点改良、5号道道小樽港線交差点改良、5号市道和宇尻中央線交差点改良を行う。
 継続事業のうち、5号倶知安余市道路の倶知安~共和では調査・設計を、共和~余市間では調査・設計や用地買収・物件補償、橋梁上下部工事、改良工事を推進する。5号忍路防災ではトンネル設備工事や改良工事、舗装工事を推進し、年度内開通を目指す。
 5号塩谷防災については、改良工事を推進するとともに、年度内にトンネル工事に着手する予定だ。このほか、管内において橋梁やトンネルの老朽化対策、交通安全対策を実施する。
 港湾では、石狩湾新港における航路マイナス15㍍の浚渫、小樽港における岸壁マイナス10㍍改良などのほか、岩内港における物揚場マイナス3㍍などの改良を行う。
 農業では、国営緊急農地再編整備事業ニセコ地区において、担い手への農地集約や耕作放棄地の解消によって、優良農地を確保するとともに生産性向上を図るべく、農地の大区画化や傾斜・排水改良などの整備を行う。また、国営地区調査中後志地区において、旧双葉地区水利施設の改築・補修および用水再編のための調査を予定している。
 漁港は古平、美国、寿都、余別の各漁港において、防波堤、物揚場、岸壁や道路の改良を進めていく。

―建設業界への期待

 建設業は地域の雇用を支える担い手であり、地域の安全の守り手。災害発生時には公務そのものを代わりに行っていただくパートナーだ。着任のあいさつでは、職員を前に地域を支える建設業の担い手確保は大きな課題と訴え、士気を高める取組をしてほしいと呼びかけた。
 また、着任後の1週間で自治体の首長をはじめとした関係者と面会した。その中で、建設業界は、災害対応だけなく、いろいろな場面で地域を支えてくれている、という感謝の言葉を多くいただいた。
 建設業を取り巻く環境は、東日本大震災後に顕在化した担い手不足の対応として、26年度に担い手三法が改正され、27年度に品確法運用指針の取組がスタートした。28年度に始まった生産性革命元年では、2年目を迎える本年度、施工の効率化に向け着実にステップを踏んでいる。
 i―Constructionは、その20あるうちの生産性革命プロジェクトの一つだ。建設業界におかれては、是非この取組を真正面から取り組んでいただきたい。
 今後、地域の振興には後志自動車道(倶知安~余市)の整備、北海道新幹線の整備とともに、高いレベルでの国際観光地化に向けた取組を進めていかなければならない。この地域にあったやり方を、地域の方たちと前向きな議論をしてまちの振興に寄与できれば思っている。
 それが結果的に人手不足の解消につながるということを、私も勇気を出して言い続けたいと思う。

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