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地域の声聞き組織で対応/暮らしを守るインフラ整備へ/新任副局長リレーインタビュー【2】旭川建管 谷山 剛 氏

2018/07/05付 連載・特集
旭川建管 谷山 剛 氏 画像
 谷山 剛 氏(たにやま・つよし)
 昭和61年3月室蘭工大院修。平成25年小樽建管事業室長、27年建設部建設管理課建設業担当課長、29年建設部都市環境課長を経て、ことし4月に現職。
 昭和35年12月19日生まれ、57歳。厚沢部町出身。

―新任の抱負について

 一昨年、本道では、史上初めて4つの台風が上陸・接近し、記録的な豪雨によって各地が甚大な被害を受けた。上川管内も、中南部地域を中心に大規模な浸水が発生したほか、道路や堤防が決壊するなど多くの施設が被災した。本年度で復旧が完了するが、いまだ災害に対し脆弱性が高い個所があり、さらに十勝岳の噴火や気候変動に伴う水害の激甚化等が懸念されていることから、安全・安心な暮らしを守るインフラ整備や危機管理について、しっかり対応していく。
 そのため、地域を実際に見て、地域の声を聞き、職場では組織が円滑に動けるよう、職員間できたんなく意見を言い合える環境づくりに努めていく。

―管内の印象について

 上川管内は初めての勤務。管内は、大雪国立公園や3つの道立公園を有し、山岳や湖沼、温泉などの自然や観光資源に恵まれ、道内外から多くの観光客が訪れている。また、管内の広大な盆地を中心に多種多様な作物が生産されており、食料供給地域として大きく貢献できる要素がある。
 こうした食と観光に関連する基幹産業を支え、管内の特性を生かした地域発展のためには、高規格幹線道路などの道路交通網の機能強化や観光拠点へのアクセスルートの整備、火山災害や水害、土砂災害などから地域住民の暮らしや産業を守る防災・減災対策を早急に進める必要があると実感した。

―本年度の主要事業について

 道路事業では、地域高規格道路「旭川十勝道路」の一部をなす旭川東神楽道路において橋梁新設などを推進するほか、旭川幌加内線において交通上のあい路となっている江丹別峠の区間などで道路改良を進めていく。
 街路事業では、3・3・20永山東光線において用地補償等を進めていく。
 河川事業では、名寄市内を流れる豊栄川において遊水地などの整備を推進するほか、ヌッカクシ富良野川において分水路などの整備を進めていく。
 砂防・急傾斜地事業では、四線川や川松沢二の沢川において砂防堰堤等の整備を推進するほか、旭川旭神3条1丁目において急傾斜地崩壊対策を進めていく。
 また、一昨年の台風により被害を受けた道路や河川等の施設復旧も順調に進んでおり、本年度ですべての復旧を完了させる予定だ。

―十勝岳噴火対策について

 十勝岳は概ね30年間隔で噴火する火山であり、ことしは前回の噴火から30年目となる。平成26年の噴火警戒レベル2への引き上げやことし5月からの火山性地震の増加など、近年、活動が高まっている。大正15年の噴火では、火山泥流により多くの方が犠牲になるなど甚大な被害が発生している。
 こうした泥流被害の軽減のため、富良野川において2号砂防堰堤の嵩上げや5号砂防堰堤の整備とともに、住民避難や緊急対策に必要な火山活動や土砂移動を監視・伝達するシステム整備を進めていく。
 また、十勝岳火山防災協議会との連携による警戒避難体制の強化、防災教育としての「親と子の火山砂防見学会」も引き続き進めていく。

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