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オホーツクの可能性再認識/効果的・効率的に事業執行/新任副局長リレーインタビュー【4】網走建管 宮下 忠昭 氏

2018/07/09付 連載・特集
網走建管 宮下 忠昭 氏画像
宮下 忠昭(みやした・ただあき)氏
 昭和60年北海学園大工学部卒。平成26年札幌建管事業室長、27年建設部道路課高速道・市町村道担当課長、28年建設部道路課長。
 昭和38年1月1日生まれ、55歳。佐呂間町出身。
 趣味は旅行。日本各地の城を巡りながら旅を楽しんでいる。

―新任の抱負について

 一昨年に大きな被害をもたらした台風をはじめとする自然災害に対し、ハード・ソフト両面からの防災対策を進めていくことが大変重要となっている。
 オホーツク管内は、世界自然遺産登録された「知床」やラムサール条約登録湿地に指定された「濤沸湖」など、森と湖と海とが調和した豊かな自然を有している。この特色のある、恵まれた自然環境と調和を図りながらも、安全・安心で個性ある地域づくりを行うため、地域の意向や実情を踏まえながらも選択と集中の視点に立って、より効果的・効率的な事業執行に努めていく。

―管内の印象について

 佐呂間町の出身でもあり管内での勤務も2度目になるが、着任以降、各地を訪れる機会を得て、あらためてオホーツク管内の広大さを痛感している。
 また、基幹産業である農林水産業や、知床をはじめとする各地域の観光産業など、様々な立場から、それぞれの地域特性を生かした地域振興の取組がなされていて、管内のもつ可能性というものを再認識している。

―本年度の主要事業について

 道路関係事業では、オホーツク管内は、岐阜県の面積に匹敵する広い地域に約30万人が暮らす道内でもひときわ広域分散型社会の色合いが強い地域であることから、管内や管外との交流促進や物流の効率化、観光振興などに資する道路ネットワークの拡充整備に努めるとともに、「橋梁などの老朽化対策」「危険箇所の解消」「地域医療を支援する道路整備」などを引き続き進めていく。
 主な事業としては、北見津別線で登坂車線の整備と万代橋の架け替えを含めた線形改良、3・5・51川東通では常呂川に架かる長大橋の整備、また、3・3・5とん田通では、4車線化を鋭意進めていく。
 治水関係事業では、近年全国的に多発している集中豪雨や台風による水害、土砂災害等の自然災害に対応する安全性の高い施設の整備を進めていく。整備に当たっては、安心できる国土の形成(安全)、自然環境と調和した生きている川づくり(うるおい)、個性あふれる地域づくりと連携強化の支援(活力)、人と水のかかわりの再構築(ふれあい)の4本柱に基づき、28年の大雨出水で被害の大きかった無加川や斜里川などで河川改修を進めていく。
 漁港事業では、29~33年を期間とする漁港漁場整備長期計画第四次に基づき、物流効率化やHACCPなどの品質・衛生管理にも対応する漁港施設の整備として、常呂漁港、沙留漁港、沢木漁港などで静穏対策等を鋭意進めていく。海岸事業では、侵食を防止して国土保全に努めるとともに、人命・家屋・財産を高潮、波浪などから守るため、越波の著しい元稲府漁港海岸で整備を進めていく。

―建設業界に期待することについて

 公共施設の整備や維持管理はもとより、災害時の対応などに関して、この地域に精通した建設業界の皆さんの高い技術力や施工能力は大変重要であり、建設業は我々の目的を達成するには、なくてはならない重要なパートナーであると認識している。今後も、蓄積された技術・知識・人材等の持てる力をいかんなく発揮していただき、このオホーツク地域をさらに魅力のある地域にしていただきたいと願っている。

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