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地域の発展 知恵絞りたい/直面する諸課題解決へ手を携え/新任開建部長リレーインタビュー ⑥網走 村上 昌仁氏

2019/06/25付 連載・特集
村上 昌仁氏 画像
 

むらかみ・まさひと

 1979年旭川工業高卒。2015年室蘭開建次長、16年開発局技術管理課長、17年開発局工事管理課長を経て、19年4月現職。
 1961年3月25日生まれ、58歳。旭川市出身。

―管内の印象と新任の抱負について

 第8期北海道総合開発計画の目指す“世界の北海道”を実現する上で、「食」・「観光」の資源が豊富であり、地域のポテンシャルの高さを感じている。地域の戦略的・魅力ある産業として継続的に発展させるため、生産者など地域の声を聞きながらオホーツク地域発展に向け、知恵を絞りながら各種事業を推進していきたいと考えている。
 また、地域住民の安心・安全の確保を図るため、防災・減災対策やインフラ老朽化対策等による国土強靭化に向けた取組を推進していく。

―本年度の主要事業について

 「食」と「観光」の生産空間を守り、発展させるため、道路、治水、港湾・漁港、農業農村整備を各種進めていく。
 道路では、本年度開通予定の旭川・紋別自動車道「遠軽瀬戸瀬IC~遠軽IC」間や地域高規格道路の整備を推進するほか、新規事業化となった国道39号端野高野道路の早期工事着手に向け、測量設計を進めていく。また、個別路線の事業化に向けて、概略ルート・構造の検討個所となった旭川・紋別自動車道「遠軽~上湧別」間について、関係機関との連携を図りながら、所要の手続きを進めていく。さらに、開建が所管する管内約900キロメートルの国道においては、引き続き、維持除雪を含めた管理を徹底し、社会サービスが途絶えないよう努める。
 治水においては、近年頻発している洪水災害に備え、所管する一級水系4河川において、流下能力が不足する個所の河道掘削を進めるとともに、樹木の伐開等の適切な河道の維持管理を行い、治水安全度の向上を図り、安全で安心な生活基盤の形成に努める。
 港湾・漁港整備では、重要港湾である網走港・紋別港において、荷揚げの効率・安全性を高めるため、防波堤整備による港内静穏度の向上を図るほか、水産物の衛生管理など、食の安全性を高めるため屋根付き岸壁等の整備を促進する。サロマ湖漁港等では、管内を代表する「ホタテ」漁を支えるため、湖口の浚渫等を進めるなど、本地域の食料供給力の強化を図る。
 農業農村整備では、管内は畑作・酪農を主体に大規模土地利用型農業や水田、野菜など多様な農業が展開されている。雨量が少ない地域では、水の安定供給を図るためのかんがい事業を進めると同時に、大雨・豪雨から農作物を守るための排水改良を実施していく。酪農が盛んな自治体では、競争力向上を図るための大区画化など、生産基盤整備を進める。

―建設業界への要望・期待など

 建設業界は、地域の安心・安全を守るための防災・減災対策やインフラメンテナンスのほか、地域の広域的発展に向けた社会資本整備の一翼を担う、地域にとってなくてはならない大事な存在と認識している。
 業界では、担い手となる技術者の確保・育成のほか、「働き方改革」への対応などの喫緊の課題がある。業界の皆さんと話し合いながら、週休2日制工事やICTを活用する工事の導入を一層進める工夫を行いながら、今後とも地域を支える建設業が直面する諸課題等について、一緒になって取り組んでいきたい。

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