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人材確保 十勝の取組を全道へ/管内発展へ一層の物流効率化/新任副局長に聞く④帯広建管 十勝総合振興局副局長 関 俊一 氏

2020/06/11付 連載・特集
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十勝総合振興局副局長 関 俊一 氏

 せき・しゅんいち
 1993年3月北大大学院工学研究科修了。同年4月帯広土現を振り出しに、2017年旭川建管事業室長、19年建設部道路課高速道・市町村道担当課長を経て、ことし4月現職。
 1967年8月25日生まれ、52歳。新ひだか町出身。

―新任の抱負について

 2016年災害の復旧事業は終わりつつあるが、防災・減災に向けた河川整備など進めていかなければならない事業は多い。しっかりと取り組んでいきたい。
 前任の高速道・市町村道担当課では、高規格幹線道路の中央要望などに携わったが、本道の高規格幹線道路の整備状況は全国との差が20年ほどまったく埋まっていない。地域の利便性や安全のため、高規格幹線道路は必要不可欠と考えている。今度は道東・十勝から、国に対して事業推進を要請していきたい。
 技術職員不足への対応として、十勝では全道に先駆けて出張所の職員を事業課に集約させてきた。出張所の職員が減った分、緊急時には事業課から管内全域に迅速に職員を送り込める体制を整え、地元に迷惑がかからないよう、うまく機能させていきたい。
 工事の本格化に当たっては、現場における十分な新型コロナウイルス対策が重要となる。必要なものについては設計変更などでサポートしていく。

―管内の印象について

 農業で発展してきた地域ということもあり、物流の効率化など農業を基盤とした十勝地域の発展の方策を考えていく必要があると感じている。橋梁の老朽化対策をはじめ各種事業を推進し、産業の発展を支えていきたい。

―本年度の主要事業について

 道路事業では、14年度から進めてきた十勝川に架かる中島橋の本年度の供用を予定しているなど、道路インフラの長寿命化対策を推進する。幕別町札内市街地の外縁部を通る主要道道幕別帯広芽室線の新設工事など、物流効率化等に資する道路の整備について、引き続き早期完成に向けて取り組んでいく。
 街路事業では、15年度から事業着手していた3・3・10共栄通がことし3月31日に供用を開始し、本年度に残りの植樹等の工事を行い完成する予定となっている。本区間の整備により、帯広市南部からすずらん大橋を経由し、道東道の音更帯広ICに至る南北の連携軸が強化される。
 治水事業では、16年台風により被災したペケレベツ川とパンケ新得川において、再度災害防止を目的とした災害復旧助成事業の早期完成に向け、全力で取り組んでいく。地域住民の安全・安心な生活を確保することはもとより、食料供給地域の保全と、観光を支える地域の安全を確保するため、利別川や猿別川支川の茂発谷川等において、掘削工、築堤工、護岸工などの治水対策を進めていく。
 また、居辺川等における床固工、山復工等の砂防施設の整備や、音更町の宝来地区における土留柵工の整備を引き続き進めるとともに、広尾町の二見町・海岸町地区等では、本年度から急傾斜地の崩壊防止事業に着手するなど、土砂災害対策に取り組んでいく。
 さらに、厚内漁港および大樹漁港等において、航路の浚渫や岸壁補修などを行い、施設の機能保全を図る。大津海岸では、津波対策として護岸工事を継続し、漁港および海岸施設の整備も推進する。

―担い手不足問題への対応について

 官民連携による人材確保の取組として、「建設業の未来を考える会」が実施している高校での出前講座などを継続していくことが重要と考える。若い人に建設業の面白さを分かってもらえるよう、地道に取り組んでいくしかない。
 旭川建管の事業室長を務めていた際、「十勝を参考に上川でもやろう」ということで同様の取組が始まったように、教育機関を含め、官民連携の取組が全道に広がっていくことを期待する。

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