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世界水準の価値創造空間形成へ/交通アクセス強化など展開/新任開建部長リレーインタビュー <札幌> 宮島 滋近 氏

2017/08/21付 連載・特集
宮島 滋近 氏画像
みやじま・しげちか
平成23年国土交通省北海道局水政課企画官、24年開発局都市住宅課長、27年室建部長。昭和36年11月10日生まれ、55歳。東京都出身。
 昨年3月に閣議決定した第8期北海道総合開発計画は2年目を迎えた。計画に基づき、農林水産業・観光等を担う生産空間を支え、農林水産業・食関連産業の競争力・付加価値向上、世界水準の魅力ある観光地づくりに向けた各種の基盤整備が進められている。一方で、建設業を取り巻く環境をみると、i-Constructionに基づくICT土工や、週休2日を確保した施工など、生産性向上や働き方改革に基づく施策も本格化している。こうした中、ことしの4月と7月の人事異動では、札幌、小樽、旭川、室蘭、釧路の5開建で部長が交代。新任の抱負や主要事業、建設業界への期待などについて聞いた。

―就任の抱負

 7年ぶりに札幌開発建設部で勤務させていただくこととなった。この間、昨夏の連続台風など、管内で多くの災害が発生した。また、熊本地震など、激しい自然災害が頻繁に発生している。被災された方、対応に尽力された皆様にお見舞い申し上げる。
 当部の管内は、北海道の経済社会活動への影響が大きな地域となる。地域を支える一員として、新たな北海道総合開発計画2年目の主要な施策を推進していきたい。
 安全・安心を底支えし、強靱な国土を形成する根幹的な治水などのハード対策と、流域タイムラインやテックフォース派遣など、初動からの防災体制の強化に職員一丸となって取り組んでいきたいと考えている。
 世界水準の価値創造空間の形成を目指し、生産性の向上や、農業基盤などの整備とともに、人や物の流れが安全・安心で安定してつながるよう、空港や道路の整備、維持管理を進捗させる。
 社会インフラの整備と保全に大切なパートナーである建設業では、技術者などの人材確保、育成は喫緊の課題となる。生産性や働き方の向上を目指した取り組みを進めていきたい。

―重点的に進める施策は

 河川事業では、安全に暮らせる地域の実現を図るため、河道掘削、堤防整備、新桂沢ダム建設等の根幹的な河川整備を進める。平成28年8月の一連の台風により被災した個所について、関係機関が連携した「北海道緊急治水対策プロジェクト」を推進し、防災・減災対策に取り組む。
 道路事業では、道央都市圏と他圏域とのアクセス強化と安定性向上を図るため、地域高規格道路などの整備を推進する。
 安全で円滑な冬期道路交通の確保を図るため、気象状況や交通状況等を踏まえた除排雪の実施や無電柱化を推進する。
 農業事業では、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農地集積による生産性向上を通じた地域の振興を図る国営農地再編整備事業等を、妹背牛地区ほか4地区について継続した整備を進める。
 空港事業では、新千歳空港における国際線旅客の急激な増加に対応するため、南側誘導路新設による航空機導線の変更、エプロン拡張によるスポット容量拡大によって空港の処理能力を向上させ、訪日外国人旅行者受入機能の強化を図る。
 公園事業では広域的なレクリエーション需要に対応し、滝野すずらん丘陵公園の適切な運営・維持管理を行っていく。
 また、白老町ポロト湖畔において、アイヌ文化の振興等に関するナショナルセンターとなる「民族共生象徴空間」の中核施設である「国立民族共生公園」の整備を推進する。

―建設業界に対する期待

 改正品確法では、発注者と受注者の責務が明確となり、発注者は将来にわたる公共事業の品質確保とその担い手の中長期的な育成・確保に配慮しつつ、発注関係事務を適切に実施することが求められている。政令指定都市・札幌市を含む道央圏を所管し、年間約972億円の予算を執行する当部としては、この責務を果たすべく、各種試行工事やモデル工事など、先駆的に取り組んできた。今後も、関係団体の意見を踏まえながら、引き続き実施していく。

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