274号日勝峠復旧へ全力/建設業の担い手育成も/新任開建部長リレーインタビュー <室蘭> 平野 令緒 氏
2017/08/24付 連載・特集
―就任の抱負について
管内には、「風光明媚な海岸や山々、洞爺湖・倶多楽湖の景色」、登別や洞爺湖をはじめとした「温泉地」、洞爺湖有珠山・アポイ岳の「ジオパーク」、「恐竜化石」を生かしたまちづくりなど、多種多様な観光につながる資源がある。前職では、第8期北海道総合開発計画の重点事項である「食」と「観光」と「再生可能エネルギー」を担当していた。これからの北海道を支えていく「食」と「観光」の柱となる産業の育成をバックアップし、地域の特色を伸ばせるような社会資本整備を意識しながら、地域の発展に貢献していきたい。
一方、この地域は災害が多い所である。昨年の大雨による出水、活火山も抱えており、災害に対する備えに万全を尽くすとともに自治体や関係機関との連携強化、地域住民の防災意識を高める取組を進めていく。
また、北海道の大動脈である274号日勝峠では、全力で復旧工事を進めており、本年秋ころの通行止め解除に向けて、組織一丸となって取り組んでいく。
なお、業界を含めて安全対策だけは手薄にならないように、事故のないように心がけていきたい。
―主要事業について
河川では、平取ダム本体工事、鵡川・沙流川の河道掘削等、樽前山の砂防施設整備、胆振海岸の人工リーフ等の整備および復旧等を行う。また、二風谷ダムの運用により、下流域を洪水から守る。道路では、本年度内に日高厚賀ICまでの開通を予定している高規格幹線道路日高自動車道の整備や、453号蟠渓道路等の防災事業、276号緑跨線橋架替などの耐震対策を進めていく。
構造物の老朽化対策や交通安全対策事業に取り組んでいく。民族共生象徴空間整備とともに本年度から事業化となった36号白老拡幅、36号苫小牧市錦岡交差点改良は早期完成に向け、設計・協議等を推進する。
港湾では、室蘭港等管内5港において、老朽化した岸壁の機能回復や荷役の安全性向上を図るため、岸壁改良を実施するほか、白老港等において、航行船舶の安全性の確保を図るため、防波堤を整備する。
農業では、農業経営力強化に資するため、勇払東部(2期)地区、フモンケ地区および新鵡川地区において、用排水施設の整備を行う。
漁港では、水産物の衛生管理や安定供給のため、登別漁港、庶野漁港等において屋根付き岸壁等の整備を進めていく。
―業界への期待・要望について
建設業は、地域インフラの整備やメンテナンス等の担い手であると同時に、地域経済・雇用を支え、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う地域の守り手として大きな役割を果たしていただいている。一方で、将来の担い手確保・育成は喫緊の課題となっている。人口減少下にあっても地域の建設業が技術力を保持し、地域の安全・安心を実現していくため、当部としても「日胆地区これからの建設技術者を育てる会」を通じて建設業界の人材育成に、積極的に取り組んでいく。
また、関係機関と連携し地域ぐるみで建設技術者の育成を進めていきたい。
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