先端技術対応の整備へ／３次元データ活用し一体的に／開発局 旭東地区で実証実験

　開発局は、本年度から旭川開建所管の国営緊急農地再編整備事業旭東地区で、先端技術に対応した農地整備手法等の確立・体系化に向けた実証事業に乗り出す。３次元データを活用した設計から施工、営農・維持管理までの一体的な農地整備等の実証を行うもの。本道での実証事業は２例目となっており、人口減少下で持続的に発展する農業の実現が求められる中、全国にも先駆けた取組として注目されそうだ。

　わが国の農林水産業を取り巻く状況は、人口減少に伴う農業者や技術者の不足によって大きく変化。ＩＣＴの活用や農林水産業のグリーン化などを推進し、持続可能な成長を図ることが重要となっている。
　こうした中、農地整備でも新たな土地改良長期計画に基づき、情報化施工等のＩＣＴの活用による事業実施や営農・維持管理の省力化・高度化を図ることが急務に。政策課題の実現のため農林水産省は、２０２３年度から２７年度までの５ヵ年を実施期間とする先端技術導入実証事業を創設した。
　対象は国営農用地再編整備事業の実施地区で、国費率１００％。道内では、事業創設初年度に全国初の地区として、岩見沢北村地区で実証事業が始動している。担当する札幌開建岩見沢農業事務所では、省力化・高度化の効果、モデルの詳細度などを含めた工事への活用方法、営農、維持管理への活用方法などを確かめていく考えを示す。
　本年度からは、旭川開建所管の国営緊急農地再編整備事業旭東地区（旭川市、東神楽町）においても実証事業に着手。スマート農業モニタリング計画の策定などを行う関連業務については、第１・四半期の発注を計画している。
　事業は次年度以降に本格化する見通しだが、実証結果をもとに、手法の調査・検討を行い、農地整備手法等の確立・体系化を図ることで、一般化から全国へ普及・拡大していくことが期待されている。