評価点算出方法変更など／本格実施へ １３日以降適用／札幌市 総合評価の取扱改正

　札幌市は、工事等における総合評価落札方式の取り扱いを改正し、１３日以降告示分から適用する。これまでの試行を経て本格実施に移行するもので、主な変更内容をみると、ダンピング対策強化として総合評価点の算出方法を変更。工事等の品質確保における無段階インセンティブ方式の採用、成績評価項目に係る配点の見直しなども行う。

　今回の改正では、ダンピング対策の強化として、総合評価点の算出方法を変更。現行は一般的な除算方式を採用していたが、全工種・業種共通で市独自の計算方式を採用することで、調査基準価格を下回った場合に総合評価点が大きく下がる仕組みを取り、ダンピング対策の強化を図る。
　品質確保に向けては、提出された工事・業務実績の成績点、企業の工事・業務成績の平均点、過去の従事工事・業務における成績点の３つの成績評価項目について無段階インセンティブ方式の採用や配点の見直しを実施するほか、加算点の型式別最高点の変更などを行う。
　無段階インセンティブ方式では、評価点を５年間の工事等成績評定の平均点などを４乗した数字を５００万で割って算出することで、工事等成績点が上昇するほど配点が高くなるような計算式を採用する。
　現行では、工事成績の平均点・基準点に応じてＡ～Ｅに区分し、区分ごとの配点を評価点としていた。今回の改正により、成績点が８８点以上で等しくＡ区分とされていた企業に差が生まれるなど、工事等成績が高いほど評価点が上昇する仕組みとなる。
　成績に係る評価項目の配点としては、計画審査型・実績評価Ⅰ型は２.６～２.８点から１５点へ、それ以外の型式は２～４点から１０点へと変更する。
　加算点の型式別最高点については、本格実施に当たって現行の点数より２～３倍に引き上げる。加算点の算出方法に変更はないが、型式別最高点は計画審査型で６０点、実績評価Ⅰ型で４５点、実績評価Ⅱ型、一括審査Ⅰ型、業務で３０点、人材確保・育成型、地域貢献Ⅰ・Ⅱ型、一括審査Ⅱ型で２０点とそれぞれ引き上げ、技術評価点の価値を高める。
　このほか、人材育成型を「人材確保・育成型」へと名称変更し、正社員の奨学金返還の支援に取り組む企業を評価する項目を新設。また、ＩＳＯ９００１またはサッポロＱＭＳの取得状況、継続教育（ＣＰＤ）の取組状況の２項目について適用範囲の拡大などを行った。
　今後の運用においては、事前審査型を前提とする計画審査型を除く全ての型式において、原則として簡易確認方式を採用する。また、これまで試行的に総合評価落札方式を導入していた設計業務型についても、簡易確認方式を採用する運用と併せて本格的に導入する。