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安全・安心な地域目指し/社会資本整備・維持管理推進/新任副局長リレーインタビュー【1】<札幌建管> 阿部島 啓人氏

2017/09/04付 連載・特集
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阿部島 啓人氏

あべしま・ひろと 昭和59年北大工卒。平成24年釧路建管事業室長、25年道建設部新幹線基盤支援担当課長、27年渡島総合振興局副局長。
 昭和36年2月26日生まれ、56歳。木古内町出身。
 趣味は家庭菜園。ことしは、自宅の庭に植えたハスカップとブルーベリーで自家製ジャムをつくることを楽しみにしている。
 昨年8月の台風災害によって、災害への備えの必要性があらためてクローズアップされるとともに、地域の安全・安心を担う建設業の重要性が再認識されている。一方で、建設業を取り巻く環境が厳しさを増す中、生産性向上や担い手確保・育成などの働き方改革が注目を集めている。ことし4月当初の人事異動においては、札幌、小樽、室蘭、函館、稚内の5建管で副局長が交代。新任の抱負や主要事業、建設業界への期待などを聞いた。

―新任の抱負について

 本道は人口減少や高齢化など地域の存亡にかかわる状況に直面している。気候変動に伴い自然災害が頻発化・激甚化。昨年、相次いで本道に上陸・接近した台風による豪雨に伴い、甚大な水害、土砂災害が発生している。
 管内でも、道・市町で120ヵ所の土木施設災害が発生した。安全で安心して暮らせる活力に満ちた持続可能な地域社会の形成に向けた取組が必要だと感じている。住民生活・地域産業を支え、安全・安心を確保する社会資本の整備、災害復旧、適切な維持管理、長寿命化、リスク対応など、山積する課題に貢献していきたい。
 そのためには、課題を明確化し、その解決に向けたプロセスをしっかりと検討することが重要。地域の声をよく聞き、ニーズを的確にとらえ、ストック効果を考慮し、効果的な事業の推進に努めるとともに、国・全道・市町村などの動きを注視しながら、石狩・空知で必要な取組を進めていきたい。
 全体への奉仕者としての役割を自覚し、フットワーク、チームワーク、ネットワークを重視しながら、職員が元気に力を発揮できるように風通しのよい環境づくりに努めたい。

―管内の印象について

 海、山、川、湖、平原と多様な自然を有し、32市町村に道内の半分の人が住む。旧産炭地があり、現在は稲作・畑作などの農業や商工業など、本道の産業活動の発展のために重要な役割を果たしている地域だと認識している。
 ワインや日本酒、農作物など、食と観光も含め、各地に多くの強みがあり、多様性とポテンシャルに富んでいる。
 安心して心豊かに住み続けられるまち・地域づくりを目指し、「コンパクトなまちづくり」「低炭素化・資源循環」「生活を支える取組」を一体的に展開し、人口減少問題の克服に寄与するまちづくりに取り組んでいると感じている。

―本年度の主要事業について

 道路関連では、本年度も美唄富良野線の整備を推進し、トンネル、橋梁、地すべり対策の工事を進める。南空知地域と上川南部地域をこれまでより短い距離で結び、観光アクセス向上、物流効率化、災害時のリダンダンシー向上を図りたい。
 治水関連では、望月寒川で河川改修事業を推進する。河道拡幅とともに放水路トンネルを整備し、札幌市街地における洪水に対する安全度の向上を目指す。
 ソフト対策としては、土砂災害警戒区域等の基礎調査を行い、調査結果の公表および土砂災害警戒区域等の指定を推進する。管内2,633ヵ所のうち、昨年度までに1,622ヵ所の基礎調査を実施済みで、29年度から31年度までで残り1,011ヵ所の調査完了を目指している。

―業界に対する要望について

 昨年は、台風・豪雨により全道各地で甚大な被害が発生した。
 建設業の皆さんには、緊急かつ不眠不休で復旧の取組をしていただいたことにあらためて感謝の意を表するとともに、建設業の役割の大きさを再認識した。
 住民の生活・地域の産業を支え、安全・安心を確保する社会資本の整備・維持管理や災害除雪を行う大切なパートナーと考えている。地域の経済・雇用を支える産業として、技術力を生かし、新たな担い手を確保され、今後の地域へのさらなる貢献と持続的な発展を期待する。

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