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既存ダム有効活用検討/河道掘削は3370万立方メートル/十勝川整備計画の変更素案 - 開発局

2022/09/20付 DOTSU-NET NEWS
 【帯広発】開発局は16日、帯広第2地方合同庁舎で第13回十勝川流域委員会をオンライン併用で開催した。十勝川水系河川整備基本方針の見直しを踏まえた河川整備計画の変更素案について協議。目標流量の実現に向けては、約3370万立方メートルの河道掘削に加えて堤体嵩上げやゲート増設などによる既存ダムの有効活用を実施する案を対応方針として承認した。次回以降の委員会で、ダムごとの整備方針や費用などについて審議を進めていく。

 十勝川水系では、過去の洪水被害や今後の気候変動による浸水面積増大の懸念などを踏まえ、国土交通省が河川基本整備基本方針の見直しに着手。基本高水のピーク流量などを変更したほか、氾濫抑制対策の推進などを盛り込んだ。
 前回委員会では、基本方針の変更を踏まえた整備計画の見直しに着手。十勝川の現況などを確認した上で、今後の河川整備の考え方として「16年洪水と同規模程度の洪水において大規模な被害を回避」「気候変動後(2℃上昇時)の状況においても、現河川整備計画での目標と同程度の治水安全度を概ね確保」など4点を設定した。
 今回は、4点の考え方を踏まえ、整備計画の変更素案について協議。河川整備の基本理念に北海道総合開発計画や気候変動、流域治水の概念などを盛り込んだことを説明した。
 加えて、茂岩地点で毎秒1万4100立方メートル、帯広地点で毎秒6700立方メートルとする整備計画目標流量の実現に向け(1)河道掘削案(掘削土量約4080万立方メートル)(2)遊水地+河道掘削案(掘削土量約3530万立方メートル)(3)既存ダム有効活用+河道掘削案(掘削土量約3370万立方メートル)―の3案を示した上で、経済性や効果発現までの時間が他案より優れる(3)案を対応方針案として設定。委員からも「手間や時間がかからず、ダム活用が有効」と了承を得た。
 既存ダムの有効活用については、ゲート増設や堤体嵩上げによる洪水調節容量の確保などを参考にしていると説明。委員からの「ダムに手を加えずに対応可能か」との質問に、開発局は「嵩上げやゲート増設といった改良が必要になると考えている」と回答した。有効活用するダムとして糠平ダムなど10ヵ所を候補としている。
 さらに、河川整備の実施に関する事項の変更点について協議。堤防の保護対策として、各種実験による知見に基づいた高水敷幅の確保を追記。河道掘削に当たっては、掘削後の再樹林化を抑制する施工方法などの工夫に加え、掘削土砂を極力削減し、掘削土砂を堤防盛土や農地の地盤嵩上げなどに活用するとともに、ICT施工による生産性の向上・品質の確保を図ると説明した。
 また、内水対策として、排水断面が不足している樋門樋管の機能を確保する対策の実施を追記したほか、氾濫リスクが高いにもかかわらずその事象が当面解消困難な区間において、減災効果を発揮する粘り強い堤防や樋門等の施設操作の自動化・遠隔化等の整備も追加。気候変動リスクへの対応として河川防災ステーションの有効活用や水防拠点の耐震化・浸水対策の実施を盛り込んだ。
 このほか、危機管理体制の構築・強化に向けた情報伝達の強化や防災教育の普及などを図ることなどを追加したと説明。基本計画の変更素案について、委員から了承を得た。
 次回以降の委員会で、有効活用を検討しているダムごとの整備内容や費用などについて審議を進め、具体的な整備方針の決定を目指す。

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