抑制方策検討を加速／標準点引下げ視野も事例分析／低入基準価格での札入れ集中で － 国交省

　国土交通省は、低入札調査基準価格への入札価格の集中を抑制する方策について検討を加速させる。検討の視点として、現行の加算点４０～７０点に対し、標準点１００点の割合が高いことから、技術評価点での得点差が希釈されているものと整理。標準点そのものの引き下げも視野に入れているが、新規参入障壁・受注者の固定化につながる懸念もあるため、関連事例の分析を行っていく。

　２８日に東京都内で開かれた２０２２年度第２回発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会（建設生産・管理システム部会）で示した。
　会合では、近年の総合評価落札方式の現状を踏まえた上で、各種検討の方向性を提示。「発注の大半を占める施工能力評価型等について、工事特性に応じて競争性を確保した上で、必ずしも総合評価落札方式によらない発注方式を検討・拡大すべきでは」との提言を受け、まずは中長期的な担い手確保の課題が顕在化しつつある維持修繕工事を対象に検討していくとした。
　技術提案評価Ｓ型は、技術提案による加算点に差がつく方式、提案内容に対して適切な価格での入札が進む仕組みを検討。同Ａ型については、技術提案・交渉方式との使い分けを検討する。また、全ての方式で受発注者双方が入札契約手続きに膨大な時間と労力を費やしている状況を鑑み、効率化を図っていく方向性を共有した。
　低入札調査基準価格への入札価格の集中を抑制する方策に関しては、検討の視点として、現行の加算点４０～７０点に対し、標準点１００点の割合が高いことから、技術評価点での得点差が希釈されていると分析。標準点そのものの引き下げも選択肢としているが、新規参入障壁・受注者の固定化につながる懸念もあることから、関連事例の分析を進める。