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国土リスクへの対応必要/高規格道路網形成の論点案提示/国交省 社整審国幹道路部会

2023/05/29付 DOTSU-NET NEWS
 国土交通省は26日、東京都内で社会資本整備審議会道路分科会第55回国土幹線道路部会を開催した。夏ごろの「仮称・高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークのあり方」の取りまとめに向けた今後の高規格道路ネットワーク形成の論点案を提示。わが国が直面する課題や全国的な視点のもと、重大な岐路に立つ国土のリスクに対応したネットワークを形成する必要性のほか「高齢化社会の交通安全、サービスレベルの観点から高規格道路は4車線以上を基本とすべき」などといった方向性が示された。
 会合では、今夏の策定を予定する新たな国土形成計画の検討状況を報告。その上で地方ブロックごとに策定された新広域道路交通計画も踏まえた高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークの役割について議論した。
 今後の高規格道路ネットワーク形成の論点案をみると、未曽有の人口減少、少子高齢化、巨大災害の切迫、気候危機の深刻化、DX・GXなど激化する国際競争、エネルギー・食料の海外依存といったわが国を取り巻く現状を整理し、シームレスな高規格道路ネットワークの形成を進めていくことが必要と分析。重大な岐路に立つ国土のリスクに対応したネットワークの形成、県境等を越えた時間距離の短縮により、シームレスなサービスレベル、一定の都市間速達性を確保することや、交通量に比例しないこれからの道路が果たす機能要件を規定する必要性などを示した。
 さらに、地方が生き残るための地域活力軸としての高規格道路整備、既存ネットワークの非効率を解消するパフォーマンスの改善についても記載。「高齢化社会の交通安全、サービスレベルの観点から高規格道路は4車線以上を基本とすべき」との方向性を示した。
 新技術や社会的ニーズに応じ、自動運転・避難機能・電力ハイウエーなど、複合的な機能を確保することや、地方のボトムアップの視点を反映しつつ、スクラップアンドビルドで必要なネットワークを構築できる枠組みも必要とした。
 今後は、複数回にわたって国土幹線道路部会を開き、夏ごろに「仮称・高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークのあり方」を取りまとめる予定。さらなる利用促進の取組などについて、引き続き議論するとしている。

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