道内 札幌開建所管３件／工程見直し、作業効率化へ／ＩＣＴ施工ＳｔａｇｅⅡ試行 － 国交省

　国土交通省は本年度、建設現場の見える化によってさらなる省人化を目指すＩＣＴ施工ＳｔａｇｅⅡの試行工事を開始する。対象工事は直轄１２工事で、このうち道内では札幌開建が所管する「石狩川改修柏木川右岸築堤盛土」「石狩川改修島松川右岸築堤盛土」「道央圏連絡道路長沼町南長沼ランプ改良」の３件で試行。建設機械の位置情報や稼働状況、施工履歴といった各種施工データをリアルタイムに集約・活用することで、工程の見直しや作業の効率化を図る。取組の普及促進に向けて、今後は試行工事の件数を拡大していく方針だ。

　国交省では、将来的な建設業の担い手不足に備え、２０１６年度から建設現場の生産性向上を図るｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎを推進。これまでの種々の取組によって建設生産プロセスにおけるＩＣＴ活用の裾野が広がりを見せる中、トップランナーであるＩＣＴ施工についてはつぎなる段階としてＩＣＴ施工ＳｔａｇｅⅡを掲げ、ＩｏTやデジタルツインなどを活用した建設現場の見える化に取り組む。
　ＩＣＴ施工ＳｔａｇｅⅡの取組では、ＡＩカメラによる映像データを活用しダンプの入退管理や掘削機械の稼働データをリアルタイムに把握し、掘削機械の配置台数を見直した事例も。台数の最適化を図ったことで、運搬可能土砂量が日施工量にして２２％改善するなどの効果が報告されている。
　取組の普及促進に当たっては、本年度から直轄工事を対象とした試行工事を開始。施工データ活用による作業待ち防止や工程調整、最適な要員配置による効果を検証するとともに、建設機械によって取得される施工データを集約・活用するための共通データ環境として、施工データプラットフォームの構築に向けた必要データの確認を行う。
　対象工事１２件のうち、開発局所管分では札幌開建の３現場を選出。千歳川河川事務所所管の「石狩川改修柏木川右岸築堤盛土」「石狩川改修島松川右岸築堤盛土」（いずれも草野作工（株）施工）、札幌道路事務所所管の「道央圏連絡道路長沼町南長沼ランプ改良」（（株）砂子組施工）となっている。

　来年度以降は、対象工事の件数を増やすなど試行を拡大。さらなる抜本的な建設現場の省人化対策をを講じるため、ことし４月に策定したｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ２.０のもと、建設現場のオートメーション化に向けて取組を進める。