尾幌糸魚沢 連続高架橋を整備／３事業の継続は「妥当」／開発局 第３回事業審議委

　開発局は１９日、札幌第１合同庁舎で２０２４年度第３回事業審議委員会を開催した。道路３事業に関する再評価原案準備書を審議。事業の必要性・重要性に変化はなく、費用対効果等の投資効果も確認されていることから、いずれも事業継続を「妥当」と結論付けた。４４号尾幌糸魚沢道路では、盛土構造で計画していた区間を地質調査の結果を踏まえ変更し、１５９７メートルに及ぶ連続高架橋で対応する方針を示した。２５年度以降残事業費をみると、尾幌糸魚沢道路には９５８億１３００万円、４５２号盤の沢道路・五稜道路には４００億７５００万円を試算している。

　今回の会合では、尾幌糸魚沢道路、遠軽北見道路生田原道路、盤の沢道路・五稜道路の計３事業を審議した。
　尾幌糸魚沢道路は、ラムサール条約湿地等のため、ルートが限定されている区間において、当初、湿原区間の通過形式を渡河部を除き盛土構造で計画していた。
　しかし、事業化後の地質調査結果において想定より軟弱層が深く、含水比も高いことを確認。当初計画の盛土構造では、軟弱地盤対策が大規模になることから、１５９７メートルに及ぶ連続高架橋へと整備方針を見直す。連続高架橋の整備に要する事業費には、架設に必要な作業構台を含め約２９２億円を試算している。
　このほか、地すべり土塊が確認された橋梁の橋長と基礎形式の見直し、切土土質の見直し、法面対策としての受圧板＋グラウンドアンカー工の追加などが必要に。これらの新たに判明した事象に基づき設計および施工計画を見直した結果、全体事業費は４１９億円増の１０６９億円に変更する。３２年度を目標とする完了予定年度に変更はない。
　生田原道路では、切土土質や舗装（路面材料）、用地補償費、立入防止柵、函渠工の見直し、視程障害を考慮した防雪柵の追加などが必要となった状況を確認。全体事業費は２９億円増の１９６億円、完了予定年度は４年延伸し３０年度に改めるとした。
　盤の沢道路・五稜道路においては、鏡トンネル（延長２１０２メートル）における掘削パターンの変更や補助工法の見直し、台ノ下山トンネル（同１９２５メートル）における施工の基準類、掘削残土運搬経路の見直しが必要に。全体事業費は盤の沢道路が８６億円増の３２８億円、五稜道路は６３億円増の３１７億円で、完了予定年度はいずれも４年延伸し３０年度とする。
　３事業とも事業推進に当たっては「引き続きコスト縮減に取り組むとともに、適正な事業管理に努めていく」とした。