今後の北海道港湾の防災対策 津波防護施設や耐震強化岸壁

　開発局は、今後の北海道港湾の防災対策を取りまとめた。ハード面では、津波防護施設や津波外力を想定した港湾施設、耐震強化岸壁など津波防災力や地震防災力の向上に向けた取組を列挙。一方、ソフト面では本年度、港湾連携による港湾機能の代替可能性の把握や広域港湾ＢＣＰの策定、港湾管理者間の災害協定について、集中的に取り組むこととした。道央圏５港をモデルとした委員会を９月にも立ち上げ、年度内に一定の結論を得たい考え。 　東日本大震災を教訓に、道内各港湾の防災力の現状を把握するとともに、新たな防災対策の考え方を踏まえて防災力向上に向けた取組を進める必要があるとして、現時点における総合的な防災対策の方向性を整理した。 　ハード面では、津波防災力の向上に向けた取組として、津波防護施設や津波外力を想定した港湾施設、津波漂流物対策のほか、港湾利用者の津波避難場所の確保や荷役機械の津波対策などに言及。津波外力を想定した港湾施設では、最大クラスの津波に対しては損傷しても、壊滅的な倒壊はしにくい粘り強い構造について技術的検討を進めることとした。 　地震防災力の向上に向けた取組では、緊急物資輸送需要や幹線物流に対応した耐震強化岸壁の確保とその効果的運用や、迅速・適切な初期対応に必要な情報収集能力を強化するため、監視カメラ等の整備・強化の必要性を指摘している。 　一方、ソフト面では、港湾連携を前提とした港湾機能の代替や広域港湾ＢＣＰ、港湾管理者間の災害協定などの重要性に言及。本年度は、道央圏５港をモデルに港湾機能の代替可能性の把握に取り組むこととし、早ければ９月上旬にも専門委員会を立ち上げる。検討に当たっては「最悪のシナリオを想定」（港湾計画課）した形で議論を進めることとしており、年度内に一定の結論を得ることとしている。