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交通ネットワーク構築に寄与/自然災害への対策に万全期す/新任副局長リレーインタビュー【2】<小樽建管> 有澤 貴博氏

2017/09/05付 連載・特集
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有澤 貴博氏

ありさわ・たかひろ 昭和62年北大院修。平成25年道建設技術センター、26年道建設部建設政策課政策調整担当課長、27年道建設部都市環境課長。
 昭和36年1月15日生まれ、56歳。白糠町出身。

―管内の印象

 小樽建管での勤務は初めてだが、管内には羊蹄山や変化に富んだ美しい海岸線などの景勝地が多くある。歴史と情緒あふれる小樽運河、冬には優れた雪質のスキーリゾートなど道内有数の観光地を有する地域で、公私とも楽しみにしている。

―新任の抱負

 昨年は、8月から9月にかけて4つの台風が襲来した。記録的な豪雨によって、道央、道東を中心に広い範囲で未曾有の被害に見舞われた。近年の自然災害の激化傾向から、今後、管内においても自然災害の多発化・激甚化が想定される中、道路・河川・海岸などの社会資本整備はもちろん、施設の維持管理、災害に対する危機管理の重要性ますます高まってきている。
 土砂災害危険個所数が道内市町村で2番目に多い小樽市をはじめ、多くの危険個所がある管内において、土砂災害防止法に基づく対策を積極的に推進する必要があると感じている。
 地域の抱える課題の多様化・複雑化から、建管に対する地域のニーズも多様・複雑なものになっている。地域の要望にしっかりと耳を傾け、様々な分野の方々と連携を強め、それぞれの課題解決に向け一歩ずつ着実に前進したい。

―本年度の主要事業は

 道路事業では、道横断道余市~小樽間の供用開始に合わせ、小樽西インター線の整備を進める。また、泊原発周辺地域の防災避難・緊急輸送道路である泊共和線の整備を進める。京極倶知安線の視距改良を行い、交通円滑化や物流ネットワークの機能強化を図るとともに、岩内洞爺線の落石・雪崩対策を実施し、安全で円滑な道路通行を確保する。
 河川事業では、洪水被害を防止するため、尻別川の河積確保や美国川や朱太川などの整備を進めていく。
 砂防・急傾斜事業では、小樽天神3丁目3などで急傾斜地崩壊対策を実施するとともに、岩谷の川やワカタサップ川などで砂防堰堤を整備する。
 漁港事業では軽臼漁港の防波堤や千走漁港などの機能保全を実施する。海岸事業では、大川海岸の津波・高潮対策や美谷海岸の高潮対策を進めていく。
 急峻な地形が多い管内には、全道の土砂災害危険個所の1割強を占める1,238ヵ所の危険個所がある。土砂災害から人命を守るため、基礎調査を実施し、管内でがけ崩れや地すべりなどが発生する恐れのある区域を明らかにするとともに、避難体制の整備促進に向け、土砂災害危険区域の早期指定に努める。

―高速交通ネットワークの整備が進むに当たって、どのように寄与していくか

 小樽市塩谷駅付近に設置される道横断道小樽西ICに関連して、ICと小樽環状線を結ぶ小樽西インター線を30年度供用開始に合わせて整備している。余市ICについては、当面は暫定インターが設置され、登余市停線に接続されることとなっているため、道道側の右折レーン設置などの改良を行う予定だ。
 新幹線については、管内に2つの駅が設置され、その小樽市、倶知安町では新幹線効果を最大限に生かしたまちづくりの検討も進められており、道としても地元自治体と検討を進めていく。

―原発対策について

 北電泊発電所周辺の自然災害(地震・津波等)と原子力災害の複合災害による道路寸断や渋滞緩和を考慮し、住民避難や救援物資の輸送が早期に可能になるよう、避難道路の複線化を図るため、泊共和線の整備を進める。27年12月に、国富2号トンネルに着工し、本年度は国富1号トンネルの発注を予定しており、順次残りのトンネルや橋梁などの工事を発注する。
 また泊共和線については、道横断道とのアクセスについて、現在国と協議している。

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