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建設業の持続的発展重要/安全・安心確保へ手を携え/新任開建部長リレーインタビュー④旭川 鹿嶋 弘律氏

2019/06/20付 連載・特集
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かしま・ひろのり

 1989年北大卒。2016年農水省水資源課水資源企画官、17年農水省地域振興課中山間地域室長、18年農水省中山間地域・日本型直接支払室長を経て、ことし4月現職。
 1965年12月5日生まれ、53歳。紋別市出身。

―管内の印象について

 大学を卒業し農林水産省に入省して以来、東京を中心に数度の出向や地方勤務も経て、30年目にして初めての地元勤務。その当時と比べ、道内の高速道路や高規格道路などのインフラ整備は進んだようにみえるが、まだ整備途上のところも多いと認識している。
 また、百貨店の閉店や外国人観光客の増大など、人の流れが大きく変わった印象。特に管内は、道内第2の都市を有する一方、大雪・十勝連峰の山々、石狩川・天塩川、深い森林や広大な農地など、豊かな自然に恵まれているところから、その特色を生かしてまだまだ発展の余地がある地域と感じた。

―就任の抱負

 平成から令和の時代となり、第8期北海道総合開発計画の4年目を迎えることから、計画のさらなる推進に部を挙げて取り組んでいきたい。特に上川管内は、北海道の真ん中であり、人と物流の結節点として、北海道の魅力である「食」と「観光」において、期待される役割は大きいと考えている。
 さらに、計画を職員がやりがいや充実感をもって推進できるよう、働き方改革にもしっかり取り組んでまいりたい。

―本年度の主な事業

 治水および都市水環境整備事業費92億5100万円、道路事業費225億8500万円、農業農村整備事業113億8600万円で総額432億2200万円となっている。
 治水事業では、石狩川上流および天塩川上流で治水安全度の向上を図る整備の推進と併せて、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に基づき、堤防強化対策、樹木伐採および掘削等の対策を実施するほか、「北海道緊急治水対策プロジェクト」のさらなる推進を図る。
 砂防事業では、引き続き十勝岳火山噴火泥流対策および層雲峡小学校の沢遊砂地等の整備を推進する。また、美瑛川および名寄川において、「かわまちづくり」と連携し、一体となった水辺整備を推進する。
 道路事業では、道縦貫道士別剣淵~名寄、40号音威子府バイパス、旭川十勝道路富良野北道路など物流・人流の効率化を図る高規格幹線道路ネットワーク等の構築や、安全・安心な地域づくりのために、道路の防災対策、老朽化対策や交通安全対策等を推進する。
 また、重要インフラの緊急点検結果等を踏まえ、特に緊急に実施すべきハード・ソフト対策について、防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策に集中的に取り組む。
 農業農村整備事業では、北海道の食料供給力および産地収益力向上のため、担い手への農地集積・集約化を促す基盤づくりとして北野地区など7地区で事業を推進するほか、新たに旭東地区で新規着手する。また、農業水利施設の適時適切な保全・更新を図るため当麻永山用水地区など5地区で事業を推進する。

―建設業界へのメッセージ

 建設業界の皆さんには、昨年7月の豪雨災害や9月の北海道胆振東部地震に伴う災害に際し、迅速に災害対応や自治体支援活動などに尽力・貢献していただき、地域の安全・安心・人流・物流の確保は地元の建設業によって支えられているとあらためて認識した。こうした地域の建設業が健全で持続的に発展していくことが重要である。
 生産年齢人口が減少する中、インフラの整備・維持管理や災害対応に重要な役割を果たしている建設産業の担い手確保・育成に向け、建設業等の働き方改革は急務となっており、その実現に向け、一緒に連携していきたい。

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