地域の発展 知恵絞りたい/直面する諸課題解決へ手を携え/新任開建部長リレーインタビュー ⑥網走 村上 昌仁氏
2019/06/25付 連載・特集
―管内の印象と新任の抱負について
第8期北海道総合開発計画の目指す“世界の北海道”を実現する上で、「食」・「観光」の資源が豊富であり、地域のポテンシャルの高さを感じている。地域の戦略的・魅力ある産業として継続的に発展させるため、生産者など地域の声を聞きながらオホーツク地域発展に向け、知恵を絞りながら各種事業を推進していきたいと考えている。また、地域住民の安心・安全の確保を図るため、防災・減災対策やインフラ老朽化対策等による国土強靭化に向けた取組を推進していく。
―本年度の主要事業について
「食」と「観光」の生産空間を守り、発展させるため、道路、治水、港湾・漁港、農業農村整備を各種進めていく。道路では、本年度開通予定の旭川・紋別自動車道「遠軽瀬戸瀬IC~遠軽IC」間や地域高規格道路の整備を推進するほか、新規事業化となった国道39号端野高野道路の早期工事着手に向け、測量設計を進めていく。また、個別路線の事業化に向けて、概略ルート・構造の検討個所となった旭川・紋別自動車道「遠軽~上湧別」間について、関係機関との連携を図りながら、所要の手続きを進めていく。さらに、開建が所管する管内約900キロメートルの国道においては、引き続き、維持除雪を含めた管理を徹底し、社会サービスが途絶えないよう努める。
治水においては、近年頻発している洪水災害に備え、所管する一級水系4河川において、流下能力が不足する個所の河道掘削を進めるとともに、樹木の伐開等の適切な河道の維持管理を行い、治水安全度の向上を図り、安全で安心な生活基盤の形成に努める。
港湾・漁港整備では、重要港湾である網走港・紋別港において、荷揚げの効率・安全性を高めるため、防波堤整備による港内静穏度の向上を図るほか、水産物の衛生管理など、食の安全性を高めるため屋根付き岸壁等の整備を促進する。サロマ湖漁港等では、管内を代表する「ホタテ」漁を支えるため、湖口の浚渫等を進めるなど、本地域の食料供給力の強化を図る。
農業農村整備では、管内は畑作・酪農を主体に大規模土地利用型農業や水田、野菜など多様な農業が展開されている。雨量が少ない地域では、水の安定供給を図るためのかんがい事業を進めると同時に、大雨・豪雨から農作物を守るための排水改良を実施していく。酪農が盛んな自治体では、競争力向上を図るための大区画化など、生産基盤整備を進める。
―建設業界への要望・期待など
建設業界は、地域の安心・安全を守るための防災・減災対策やインフラメンテナンスのほか、地域の広域的発展に向けた社会資本整備の一翼を担う、地域にとってなくてはならない大事な存在と認識している。業界では、担い手となる技術者の確保・育成のほか、「働き方改革」への対応などの喫緊の課題がある。業界の皆さんと話し合いながら、週休2日制工事やICTを活用する工事の導入を一層進める工夫を行いながら、今後とも地域を支える建設業が直面する諸課題等について、一緒になって取り組んでいきたい。
その他の連載・特集 一覧
業界の魅力 広く発信/災害対応の体制整備が重要/新任開建部長リレーインタビュー⑤帯広 竹内 正信氏
2019-06-21付 連載・特集
―管内の印象と新任の抱負について 十勝での勤務は5年ぶり2度目となるが、当地は元気があり、自主自立の気風を強く感じるとともに地域として一体感があると思う。 十勝の地は農業、酪農、畜産および観光などでポテンシャルが高い地域であり、それらの発展...建設業の持続的発展重要/安全・安心確保へ手を携え/新任開建部長リレーインタビュー④旭川 鹿嶋 弘律氏
2019-06-20付 連載・特集
―管内の印象について 大学を卒業し農林水産省に入省して以来、東京を中心に数度の出向や地方勤務も経て、30年目にして初めての地元勤務。その当時と比べ、道内の高速道路や高規格道路などのインフラ整備は進んだようにみえるが、まだ整備途上のところも多...将来計画の整理・発信を/建設業は先端技術産業へ/新任開建部長リレーインタビュー ③小樽 渡邊 政義氏
2019-06-19付 連載・特集
―新任の抱負・管内の印象について 開発局は「食と観光の生産空間の維持発展」を総合開発計画の柱に掲げ、管内では「世界の後志」を目指し事業を展開している。 管内は、全道的にも社会基盤投資の中心軸にある地域だと認識している。開発局事業に加え北海道...災害時の冗長性確保を/喫緊の課題解決へ官民連携推進/新任開建部長リレーインタビュー ②函館 樺澤 孝人氏
2019-06-18付 連載・特集
―管内の印象と新任の抱負について 約6年ぶりに函館に戻り、早速、2市16町を訪ねた。管内は農水産業が盛んで、観光資源にも恵まれ、北海道の戦略的産業である「食」と「観光」を担う「生産空間」そのものであり、北海道の縮図であると感じている。 4月...円滑な事業執行へ環境整備/若手技術者確保・育成で連携も/新任開建部長リレーインタビュー ①札幌 鈴木 亘氏
2019-06-17付 連載・特集
2018年度国の第2次補正予算と臨時・特別の措置により、19年度の実執行ベース予算は、前年度と比較すると、大幅に増加している。本道に不可欠な社会資本整備を進め、第8期北海道総合開発計画に掲げた目標達成には、円滑な事業執行が至上命題となって...バルク戦略港湾 待望の完成/求められる巨大地震への対策/LOCAL TOPICS 2018 ⑫釧路・根室
2019-01-11付 連載・特集
大型船寄港へ悲願 国際バルク戦略港湾釧路港国際物流ターミナルが、11月に完成した。 釧路西港第2埠頭は、これまで水深12メートルで、世界で主流となっている載貨重量7万4000トン級の大型船に対応できなかった。このため、茨城県の鹿島港や愛知県...災害教訓に強靭化の加速を/食料供給基地としての役割踏まえ/LOCAL TOPICS 2018 ⑪十勝
2019-01-11付 連載・特集
復旧が順次完了 2016年8月の連続台風による記録的豪雨で甚大な被害を受けた十勝管内。ことしに入り、国、道、市町村の災害復旧工事が終盤を迎えている。災害後、無残な姿だった公共土木施設は、地域建設業の復旧・復興に対する強い使命感とその技術力に...除雪省力化へ来春実証実験/網走建管 出張所技術職員を集約/LOCAL TOPICS 2018 ⑩オホーツク
2019-01-11付 連載・特集
除雪の見える化 近年の気候変動に伴い、道内各地で吹き荒れる暴風雪。厳しい気象条件の中で、本道の冬の暮らしを支える道路除雪業務の遂行に黄色信号が灯っている。少子高齢化の波は、除雪機械を扱うオペレーターの高齢化とともに、担い手不足という深刻な問...