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保証証書の電子化へ/吉田社長 公共工事の円滑執行下支え/北保証 21年保証事業重点推進方針

2021/04/21付 DOTSU-NET NEWS
 北海道建設業信用保証(株)の吉田義一社長(※吉は土に口)は20日、記者会見を行い、2021年保証事業重点推進方針等を示した。前払金制度の改善など、保証契約者が利用しやすい環境整備に努めるほか、新たに保証証書の電子化に取り組むことを表明。また、引き続き道内建設業の担い手確保への支援にも力を入れ、公共工事の円滑な執行を支えていくとした。
 吉田社長は20年度の前払金保証の動向について、保証請負金額が前年度比4%増、1兆485億円、直近10年間で第1位となり、道内分も3%増、9750億円と、第1位となったことを報告。「18年度補正から20年度の国土強靱化3か年緊急事業と、北海道新幹線工事の進捗が寄与している」と分析した。
 道内の月末累計請負金額の年間推移を直近10年間で比較すると、20年度は4~3月の各月とも10年間で最高の水準で推移。工事目的別では、港湾空港鉄道、道路、住宅都市が高い伸びを示し、治山治水は胆振東部地震復旧工事の減を背景に減少、農林水産は前年度並みに推移した。
 吉田社長は、前払保証実績が15年前の05年度に迫る金額となり、「アベノミクスによる財政出動、改正品確法等による政策効果が大きくプラスに働いている」と分析。一方で、過去最高の1998年度と比較すると「まだ半分までいっていない」とし、国土強靱化3か年緊急対策に続く国土強靱化5か年加速化対策等に期待。加速化対策について、交通ネットワークの強化やインフラ施設の老朽化対策、デジタル化の推進など、「予算の使途が増え、内容的にも進んだ」と評価し、道内における防災・減災対策をさらに推進していくことの重要性を強調した。
 21年度保証事業重点推進方針は、①発注者との連携の強化②前払金制度の改善・利用促進③保証証書の電子化④保証契約者との連携の強化・情報提供⑤担い手確保への支援―と5点が柱。
 吉田社長は新たに保証証書の電子化に取り組むとし、国等の行政機関におけるデジタル化の推進に的確に対応していく姿勢を強調。「できるだけ早く進めていきたい」とした。
 前払金制度の改善・利用促進にあたっては、依然、支払限度額を設定している27市町村に撤廃を働きかけ、中間前払金制度の93市町村(52%)への導入を目標に、また、中間前払金利用率を15%以上とすることを目標に、それぞれ取り組んでいくとした。
 一方、20年度の公共事業予算について吉田社長は、「発注者の努力があり、年度の早い段階から予算が執行され感謝している」とし、各建設企業の施工努力により新型コロナウイルス感染症にともなう工事の中止、中断もほぼ皆無となったことを評価。
 21年度予算については加速化1年目の19年度補正を加えた15ヵ月予算で、前年度並み予算となったことを評価。「加速化2年目以降にも期待したい」と、今後も、必要な公共事業予算が確保されていくことに期待を寄せた。

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