全国の直轄工事で試行／固定的経費算定式まとめ／国交省 小雪時の除雪工事費積算

　国土交通省は、小雪時においても固定的に発生する経費を計上するため、除雪機械の機種や台数に応じて直接工事費分と間接工事費分における固定的経費を算定する式をまとめ、全国の直轄除雪工事で試行する。現行の算定式で算出した経費よりも、新たに算定する固定的経費が大きい場合に適用するもの。試行を通じで、妥当性を判断する。
　２０１９年度は、全国的に記録的な小雪であり、一部の地域を除き、除雪出来高が上がらなかった。このため、小雪時においても、道路の除雪体制維持のために必要となる固定的な経費の積算方法を検討。除雪機械の機種や台数に応じて固定的経費を計上する算定式を試行案としてまとめた。
　新たな算定式は、除雪機械の機種や台数ごとに償却費、管理費を積み上げ、除雪体制確保期間を乗じて合計する。現行の除雪機械の運転時間または運転日数に応じて出来高と待機費を算定した経費よりも、新たな算定式で算出した固定的経費が大きい場合に適用する。
　間接工事費は、除雪機械の機種や台数に応じて、管理に要する準備費、営繕費、労務管理費、従業員給料手当等を計上。除雪機械を発注者から無償貸与している場合、直接工事費は無償貸与機械評価額を対象とする。
　ただ、今回の試行案は、除雪機械が少ない工事で経費が計上できない可能性があることや、直接工事費に機械経費しか計上できない課題もあることから、全国の直轄除雪工事で試行し、妥当性を判断する。