賃上げ総合評価加点で国交省／加算点合計の５％以上／施工能力評価型は３点に

　国土交通省は、賃上げを表明した企業に対する総合評価落札方式における加点措置の概要をまとめた。大企業３％、中小企業１.５％以上の賃上げを表明した入札参加者を加点。加点の割合は、総合評価落札方式の加算点合計の５％以上で、施工能力評価型の場合、３点となる。賃上げを宣言した上で、未達成だった場合は、１年間、加点措置の割合を大きく上回る減点措置を講じる。４月１日以降契約分から適用する。

　政府は、大企業３％、中小企業１.５％以上の賃上げを実施した企業に対する優遇税制を実施。公共調達においても、賃上げを実施した企業に対する優遇措置を講じることとし、総合評価落札方式における加点を検討してきた。
　政府方針が固まったことを受け、国交省は、総合評価落札方式における賃上げを実施した企業に対する加点措置の概要をまとめた。
　具体的には、事業年度、暦年単位で大企業３％、中小企業１.５％以上の賃上げを表明した企業を加点。総合評価落札方式の加算点合計の５％以上の整数とする。
　施工能力評価型において、従来、加算点の合計が４０点とすると、５％以上の整数とするには、４３点満点で約７％となる３点が必要となる。入札公告のあと、従業員への賃金引上げ計画表明書を提出。賃金引上げは、年度単位または暦年単位の表明とする。
　落札者が賃上げ加点された場合、加点を受けた落札者が対象の事業年度または暦年の終了後に契約担当官へ確認書類を提出。年度単位の場合は法人事業概況説明書または税務申告の作成書類、年単位は給与所得の源泉徴収票の法定調書合計表で確認する。
　賃上げ未達成の企業は、全省庁で共有。国関係の総合評価落札方式で１年間、加点を上回る大きな割合の減点措置を講じることとする。
　４月１日以降契約分から適用。年明けから入札公告が本格化する年間維持除雪工事などが該当する。