道建協「半ば達成」／発注者理解進捗とみる結果に／道経済部調査 価格転嫁

　道経済部は、２０２３年１０～１２月期の業種別業況動向調査結果をまとめた。建設業は北海道建設業協会（岩田圭剛会長）が回答し、原材料等の高騰を受けての価格転嫁について転嫁率が３～５割程度の「半ばできている」を選択。前回７～９月期調査で２割未満の「ほとんどできていない」と回答していたことから、発注者側の適正価格への理解が進んだものとみている。一方「民間発注者は価格変更に伴う価格交渉が難しい」との実情もあり、業界全体として状況の改善を求める声が上がっている。
　道では、各業界団体の動向や課題などに係る調査を四半期ごとに実施。聞き取りおよびアンケート形式で、１３の道内経済・産業団体から回答を得た。
　道建協の回答内容をみると、業況感は前期調査から一段階改善して「やや悪い」に。主な判断理由として、地元建設産業の景気は悪い傾向がやや弱まっているほか、完工高別の３億円未満・１０億円未満・３０億円未満で悪い傾向が弱まっていることなどを挙げている。
　売上高・売上単価の動向について、受注総額は減少傾向がやや弱まっていると回答。官公庁工事は減少傾向がやや弱まっているのに対し、民間工事ではやや強まっているとの見方を示している。
　収益については減少傾向がやや弱まっているとし、その理由は「完成工事高の減少」が最高の７３.１％に。次いで人件費の上昇、資材価格の上昇がそれぞれ４９.３％で並んでいる。
　人手不足の状況をみると、正規・非正規とも従業員の充足度合いは不足傾向に。利益の減少のみならず、時間外労働の増加による労働環境の悪化や、作業員の高齢化に伴うノウハウ伝承の不足など一定の影響を受けていることを明らかにしている。