洪水調節機能増強へ調査／豊平川河川整備計画見直しで／札幌開建　石狩川流域委

　札幌開建は１７日、本部庁舎で第１８回石狩川流域委員会を開催した。石狩川水系豊平川河川整備計画の見直しに向けて原案を提示。気候変動による洪水被害の拡大等を見据え、洪水調節機能の増強について調査・検討する方針を盛り込んだ。対象期間を概ね２０３６年とし、既存施設の活用に加え、新規洪水調節施設の建設も視野に入れた実現性の確認を進める。
　豊平川は、札幌中心部を貫流する急流河川。人口の集中や地下鉄等の交通機能が周辺に発達していることから、気候変動による水害リスクの増大と都市部への影響が懸念されている。
　こうした状況を踏まえ、豊平川河川整備計画の見直しに着手。これまでの委員会で、目標流量を現行整備計画における雁来地点の毎秒２４００立方メートルから毎秒２９００立方メートルとすることなどを申し合わせている。
　冒頭、小林幹男部長は「第９期北海道総合開発計画の理念を生かし計画を進めていきたい」と述べた上で忌憚のない議論を求めた。
　議事では、前回の委員の意見について審議したあと、計画の原案を説明した。今回の計画は、社会経済状況や流域の課題等を踏まえて現行計画を点検したもので、河川工事の内容は変更していないことから、現行計画と同様の３６年ごろを対象期間とする。
　主な変更として、洪水調節機能の増強に向けた調査・検討の実施、流域治水の取組、特定都市河川制度を活用した検討に関する内容を盛り込んでいる。
　洪水調節機能の増強は、既存施設の活用と新規洪水調節施設の設置の２案が目標の規模に対して比較的実現性が高いと整理。実現性を確認するための調査・検討を進める。
　流域を中心とした対策には、雨水貯留・浸透施設、水田保全を候補として、調査・検討を進めるとしている。
　特定都市河川制度の活用に関しては、豊平川の指定を目指し、関係機関と協議を進めていく方針だ。
　今後、原案を修正し、パブリックコメント・縦覧を行う。夏ごろにも流域委員会で案を示す見通し。