機構の丁寧な地元説明を／札幌開業遅れの報受け国交相へ／道新幹線建設促進期成会が要請

　北海道新幹線建設促進期成会（会長・鈴木直道知事）は１４日に国土交通省を訪問し、北海道新幹線新函館北斗～札幌間の建設工事に関する緊急要望を実施した。鈴木知事を先頭として、斉藤鉄夫国土交通大臣に要望書を手交。鉄道・運輸機構が２０３０年度末の札幌開業を「極めて困難」とする報告を行ったことを受け、機構に対し速やかに沿線自治体等の地元関係者への丁寧な説明を行うよう要請した。道民の悲願として、多くの関係者が長年にわたって取組を進めてきたことを訴え、工期短縮に向けた検討を徹底して一日も早い完成・開業を求めた。

　新幹線の札幌延伸を巡っては、複数のトンネルで３～４年程度の工期遅れが発生しているほか、長期化する地質不良への対応で工事が難航。建設業の時間外労働上限規制が適用されたことによる影響も踏まえ、機構側は８日に「工程短縮策をもってしても３０年度末の開業は極めて困難」との旨を斉藤大臣に申し入れた。
　正式な開業の見通しは国交省の有識者会議において検討した上で示すとしているが、今回の報告が一丸となって取組を進めてきた地元関係者に与えた衝撃は甚大だ。鈴木知事は「なぜこのタイミングで今回の判断に至ったのか、工期を短縮するためのこれまでの取組や成果、開業延期に伴う影響への対応といった詳細について説明していただく必要がある」との考えのもと、新幹線建設促進期成会としてオール北海道での緊急要望に踏み切った。
　１４日は、鈴木知事をはじめ、冨原亮道議会議長や秋元克広札幌市長ら６人が出席。斉藤大臣に要望書を手渡し、これまでの経緯を含めた機構による地元関係者への丁寧な説明、有識者の知見の活用などを通じ様々な観点からの検証と工期短縮に向けた検討の徹底による一日も早い完成・開業を強く訴えた。
　きょう１５日には、鉄道・運輸機構に対する要望活動を行う予定。