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業務効率化が急務に/書類簡素化、電子データ活用も/市町村工事での働き方改革

2024/08/06付 DOTSU-NET NEWS
 時間外労働の上限規制が適用となり、開発局や道を中心として働き方改革の実現と生産性向上に資する取組が加速度的に進む中、今後は市町村所管工事における対応が急務となりそうだ。生産年齢人口の減少に伴い業務の効率化が求められる一方、市町村工事では後れを取っていると言わざるを得ない状況となっており、業界関係者は「工事書類の簡素化、統一化、電子データの活用などが必要」と話す。法規制によって労働時間が限られる中で現在の作業を強いられると「入札参加をちゅうちょするケースも出てくるし、中小企業などは対応に限界があり存続自体も危うくなる」と危機感を示し、発注者側の意識改革と早急な対応を求める声が上がっている。

 時間外労働の上限規制適用猶予期間が終了し、4月から建設業も他業種と足並みをそろえた新たな働き方がスタート。開発局や道は5年の猶予期間で業界と共に必要な環境を整え、現在は週休2日の「質の向上」の拡大に努めるなど、各種の取組を展開している。
 現場の生産性向上に資する取組をみると、インフラDX・i―Constructionの推進のほか、受注者の段階確認に伴う手持ち時間の削減や監督職員の現場臨場の削減による効率的な時間の活用を目的とした遠隔臨場を標準化。開発局では、受発注者間の作成書類を明確化した「工事書類簡素化のポイント」を3月に策定し、周知・徹底を図っている。
 こうした中で、今後は市町村所管工事における対応が課題に。週休2日の試行工事等は浸透しつつあるものの「依然として紙入札のところが多く、図面や各種データのやりとりも紙ベースのまま」(行政関係者)が実態だ。企業によっては、年齢や経験などに応じ、A氏を開発局工事、B氏を道工事、C氏を市町村工事の担当などとしているが「発注機関の取組内容に差異があることで、残業がある人とない人が出てきてしまっている」(建設会社担当者)。
 別の担当者は、市町村工事での働き方改革等の取組が遅れていることを踏まえ、従業員への負担を軽減したいとの考えから「入札参加をちゅうちょするケースも出始めている」と吐露。市町村工事のみで経営している企業も少なからず存在しており「現在のままでは存続自体も危うくなってくるのでは」と話す。
 課題解決に向けては、業界から開発局や道の取組を参考に「工事書類の簡素化、統一化、電子データの活用」などを求める声も。建設業は、社会インフラの整備・維持管理に加え、近年相次ぐ自然災害への対応など、地域にとってなくてはならない重要な役割を果たしており、早急な対応が求められる。

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