対象拡大に向け検討／適用区分やインセンティブ協議／道建設部 CCUS活用モデル工事

　道建設部は、２０２６年度に発注する建設キャリアアップシステム（CCUS）活用モデル工事に関し、対象拡大に向けた検討を進めている。各工種の適用区分や全ての基準を達成した場合のインセンティブなどは、業界の意見を参考にしながら詳細を詰めていくもよう。２４年度に試行したCCUS活用モデル工事の受注者アンケートでは、元請企業などから取組を評価する声が聞かれており、さらなる普及促進に向けて協議していく方針だ。

　道建設部は、公共工事の品質確保に向けて、優れた技術と経験を有する技能者を将来にわたって確保・育成することを発注者が果たすべき責務と認識。国に準じて、建設技能者の技術と経験に適した賃金の支払いや処遇改善などに資するCCUSを活用し、管理体制の整備を図っている。
　２３年度からは、予定価格７０００万円以上の一般土木工事を対象にCCUS活用モデル工事の試行を開始。２４年度には、予定価格５０００万円以上の舗装工事を対象に加えた。全ての基準をクリアした場合のインセンティブも設定。①元請企業の登録②当該現場の登録③技能者の就業履歴の蓄積（対象期間日数の５０％以上を蓄積）④工事完成までにアンケートを提出（アンケート対象工事に限る）―の４点を評価し、全て達成した場合には工事施行成績評定の創意工夫で加点している。
　２４年度に試行したCCUS活用モデル工事の受注者アンケートでは、CCUS事業者の登録状況および活用状況について、元請企業の８１％、下請企業の９５％が「登録済み、既に他の現場で活用した」と回答。「全ての基準を達成できたか」の問いには、元請企業の９４％、下請企業の９３％が「できた」と答えた。元請企業からは「全ての現場で必須にしても良い」「建退共ともリンクしており、事務処理の軽減につながった」などの声が聞かれている。
　取組の浸透が見られ始める中、道建設部は、２６年度におけるCCUS活用モデル工事の対象拡大を検討。業界の意見も参考にしながら、工種ごとの対象区分やインセンティブといった具体的な運用方針を詰めていくこととしており、普及促進に向けて協議を進めていく考えだ。