補正予算 成立に遅れ／事業執行懸念する声も／臨時国会召集は２１日で調整

　連立政権合意に向けた協議が難航し、臨時国会の召集は当初予定していた１５日から後ろ倒しを余儀なくされ２１日を軸に調整が進む見通しとなった。物価高対策などを含む経済対策は、国会での首相指名選挙を経て閣議で指示する必要があり、補正予算の成立も既に例年より遅れることが必至な情勢。建設業界では、第１次国土強靱化実施中期計画に基づく初年度の対策費に関し、２０２５年度補正予算で一定規模の計上を求めているが、行政関係者は「政権発足が遅くなれば年内成立は厳しく、その後の事業執行に影響が及ぶ可能性もある」と危機感を示しており、適切な対応が求められている。
　政府は、自民党の高市早苗総裁が初めて迎える臨時国会について、１５日の召集を断念。公明党との連立協議が続いていることを考慮したもので、きょう１０日にも再協議に臨み、連立の是非が判断される見込みとなっている。
　現在のところ、臨時国会の召集は２１日を軸に調整する見通し。これまで高市総裁は早期に物価高対策を講じる方針を訴えてきたが、経済対策は首相就任後に閣議で指示する必要がある。
　財源の裏付けとなる補正予算案の編成についても、通常１ヵ月半から２ヵ月程度を要する。昨年のスケジュールをみると、１０月４日に経済対策の取りまとめを指示し、編成作業や国会審議を踏まえ、１２月１７日に成立した。
　こうした状況を踏まえると、補正予算の成立は例年より遅れることが必至な情勢。２５年度補正予算では、６月に閣議決定した実施中期計画に基づく初年度の対策規模も注目されるが「政権発足が今月下旬以降になれば年内成立も難しくなる」（関係者）とし、事業執行への影響を懸念する声も出始めている。