土地改良長期計画の道地方懇談会 北海道版の目標設定を

　開発局は１０日、札幌第１合同庁舎で土地改良長期計画にかかる北海道地方懇談会を開催した。新たな長期計画策定に向け、地方の意見を聴取するもの。出席者からは本道と他の都府県の農業の違いに対する指摘が相次ぎ、「北海道版の目標を作ってもいいのでは」「全国一律の議論では実感が湧かない」といった意見が多かった。計画どおりに実施するため、予算の裏付けを求める声もあった。 　現行計画の期間は２０～２４年度だが、国は昨年改定された食料・農業・農村基本計画や東日本大震災の影響を踏まえた土地改良事業の新たな展開の必要性を認識。新計画の策定について、１年前倒しすることも含めて検討を開始した。 　地方懇談会は、計画策定手続きの一環で、各地方ブロックごとに開催。この日は、岩村和平開発局農業水産部長や中島克彦道農政部農村振興局長、前山啓二道土地連専務理事ら有識者１０人が出席した。 　はじめに、農水省農村振興局設計課の室本隆司計画調整室長らが、現行計画の実施状況や農業農村整備をめぐる情勢と課題などを説明した。引き続き、開発局の平見康彦農業水産部調整官が本道の農業農村整備の現状と課題について説明。水田、畑作、酪農地域の特性に対応した今後の整備の方向性などを紹介した。 　意見交換では、本道農業と都府県農業の違いを指摘する意見が頻出。全国一律の目標ではなく、北海道としての目標設定を求める意見が相次いだ。 　このほか、計画の実施を担保する予算の裏付け、耕作放棄地対策や将来の温暖化を見越した基盤整備の必要性を訴える声や、「基盤整備に合わせて農家も投資しており、地域経済の牽引力になっている」「本道では、大規模化と排水改良はセットでされるべき」「消費者の嗜好に配慮した計画としてほしい」などの意見もあった。