第４回社会資本整備審議会道路分科会道地方小委員会 倶知安～余市を別線で整備

　社会資本整備審議会道路分科会北海道地方小委員会（委員長・加賀屋誠一北大大学院特任教授）の第４回会合が１１日、札幌第１合同庁舎で開かれた。計画段階評価を試行している道横断道黒松内～余市間について、地域意見を踏まえた政策目標や整備方針の案を審議した。当面の整備方針案として、政策目標に対する整備効果が高く、現道の課題が大きい「倶知安～余市間」を別線で整備。現道の走行性が比較的高い「黒松内～倶知安間」については、当面現道を活用する方針を示した。 　はじめに、開発局が後志管内の２０市町村や関係１６団体に対して６～８月に行った意見聴取結果を説明。暮らし（地域医療）、観光、物流、防災、拠点間交流の５分野にわたる７つの政策目標案への反対意見はなく、「最終的に全線高速道路」を望む意見が多数を占めた。段階的な整備手法については、「優先度を踏まえた段階整備」「早期の着工・完成、効果発現」を期待する意見が多かった。 　これらの意見を踏まえ、整備方針案については「政策目標に対する現道の使われ方からの評価」「現道課題からの評価」を行い、課題が大きい区間は別線整備を検討。当面の方針として、政策目標に対する整備効果が高く、現道の課題が大きい「倶知安～余市間」の別線整備を検討する方向性を示した。 　その上で、（１）共和町・岩内町方面（２７６号）からのアクセス性を重視したルート（２）道央と道南を連絡する際など路線延長短縮に時間短縮を重視したルート―の２つの比較ルート案を設定した。 　（１）案は、（２）案より計画延長が長く、移動時間もやや遅いが、大規模な構造物が（２）案より少なく、事業費は同程度。国際標準コンテナ通行支障個所であるトンネル４ヵ所を回避することができる。 　（２）案は計画延長が短く、移動時間もやや早いが、共和町・岩内町方面への交通には迂回が生じるほか、国際標準コンテナ通行支障個所である４ヵ所のトンネルのうち、３ヵ所を回避できないとしている。 　今後、９月中旬～１０月中旬に第２回意見聴取を実施。整備方針案や比較ルート案などについて、後志管内の２０市町村や関係団体、地域住民、道路利用者等を対象に、アンケート配布調査やウエブアンケート調査を行った上で、次回小委員会で地域意見を踏まえた方針案を審議する。