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地域の魅力高めるために/働きやすい職場づくりへ官民一体/新任開建部長リレーインタビュー⑦稚内 舘石 和秋氏

2019/06/26付 連載・特集
舘石 和秋氏画像
 

たていし・かずあき

 1988年岩手大卒。2015年札幌開建次長、16年国交省北海道局農林水産課企画官、17年開発局農業整備課長を経て、ことし4月から現職。
 1965年9月23日生まれ、53歳。岩手県出身。

―管内の印象と新任の抱負

 宗谷地域は厳しくも豊かな自然を生かし、ホタテをはじめとした水産業や酪農業、観光業が盛んであるほか、近年は風力などの再生可能エネルギー事業にも取り組んでいる。宗谷産のホタテは北海道から輸出される農水産物の多くを占め、630戸ほどの酪農家によって膨大な生乳が生産されている。本地域が生み出すものの価値は非常に高く、人口は少なくとも本道にとって重要な地域であると認識している。
 これらの産業を発展させるためには、農業農村整備をはじめとした生産基盤や空港、港湾、道路など流通の基盤を整備していくことが重要。地域産業と暮らしを支えるインフラ整備に力を注いでいきたい。観光業はまだまだ伸びしろのある産業なので、大型クルーズ船の受入やシーニックバイウェイ、インバウンド観光のための環境整備など宗谷地域の魅力を高めるための取組を進めていきたい。

―本年度の主要事業

 港湾・漁港整備では、東浦漁港や枝幸港で衛生管理対策を図る屋根付き岸壁の整備に着手する。稚内港では13万トン級の大型クルーズ船に対応できるよう、末広ふ頭地区の浚渫に取り組んでいくとともに、北防波堤ドームの老朽化対策・長寿命化を進めていく。沓形港ではクルーズ船の係留作業を円滑に行えるようビットを整備していく。
 農業農村整備では、大型農業機械に対応できるようほ場の大区画化を進めるとともに、高品質の牧草を安定的に供給するための生産性向上にも取り組んでいく。
 道路では、安定的な流通を確保するため、40号天塩防災をはじめ3つの国道の改良整備を進めていくとともに、各路線の維持管理にも万全を期す。
 また、5月1日にオープンした道の駅「北オホーツクはまとんべつ」において、シーニックバイウェイと連携しサイクルラックを設置して、サイクルツーリズムの拡大を支援していく。

―建設業界に対して

 建設業は地元に密着し地域の暮らしを支える産業。本業だけではなく、地元のイベントなど地域づくりにも熱心に取り組んでおり、敬意を表する。
 建設業が今後も持続し発展していくためには、我々が担う事業をしっかりと進めていくとともに、安定的な予算を確保することが重要であり、地域の視点から事業の重要性を訴えていきたい。
 建設業の存続には、業界で働こうという新たな担い手を確保することも必要不可欠。官民双方が努力して働きやすい職場づくりに努めていかなければならない。発注者として適正な工期設定や早期発注、施工時期の平準化などに努め、書類の簡素化についても取り入れていきたい。
(シリーズおわり)

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