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地域ニーズ的確に見極め/生産性向上へ建設業と連携/新任副局長に聞く②留萌建管 留萌振興局副局長 斎藤 知郷 氏

2020/06/09付 連載・特集
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留萌振興局副局長 斎藤 知郷 氏

 さいとう・ちさと
 1983年旭川北高卒。84年4月旭川土現を振り出しに、2016年檜山振興局地域創生部長、19年建設部建設管理課長を経て、ことし4月現職。
 1964年5月1日生まれ、56歳。旭川市出身。

―新任の抱負について

 新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大に伴う緊急事態宣言により、道内でも飲食店の営業自粛などの措置が講じられた影響で、地域経済が大きく冷え込んでいる。新型コロナの収束はいまだ先が見えない状況だが、安全・安心な暮らしを守るだけではなく、地域経済の活性化のためにも建設管理部が担う社会資本の整備や維持などを着実に行うことが重要と考えている。
 引き続き、地域の声を聞きながら、適切な維持管理や防災対応に全力で取り組むとともに、管内のインフラ整備を計画的に進めていきたい。

―管内の印象について

 留萌管内の勤務は初めてだが、日本海を望む美しい景色や街並み、ニシン漁で栄えた歴史など、以前住んでいた檜山管内の江差町と似ており懐かしく感じた。
 また、檜山と同様に、他と比べて人口減少や高齢化が著しい地域であり、地方創生に向け、農業や水産業をはじめ、地域の資源を生かした個性的な取組が行われているとの印象を受けている。

―本年度の主要事業について

 留萌建管の2020年度当初予算は、公共・単独合わせて約60億円となっており、道路関係事業では、上川北部圏およびオホーツク圏、留萌北部圏の短絡ルートを形成する名寄遠別線や、小平町方面から留萌IC・留萌市立病院などへのアクセスを向上する留萌小平線の整備を進める。維持管理のコスト縮減を図るため、北海道橋梁長寿命化修繕計画に基づく橋梁の点検・補修にも継続的に取り組んでいく。
 また、街路事業として、留萌市内の3・4・18見晴通で本工事に着手するとともに、引き続き用地および物件補償を進める。
 治水関係事業では、洪水対策として古丹別川や茂築別川などの河川改修事業を進めるほか、暑寒別川砂防事業を実施する。
 留萌南町4丁目2地区などの急傾斜地崩壊対策事業、留萌礼受の雪崩対策事業、苫前漁港海岸の高潮対策事業にも力を注ぎ、ソフト面では、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定を進めて地域の防災力強化を図っていきたい。
 また、管内の主要産業の一つである水産業の振興を図るため、力昼漁港の外防波堤整備などに取り組んでいく。地域が求めていることを的確に見極め、事業効果を高めていきたいと考えている。

―建設業界へ一言

 建設産業は、安全・安心な地域づくりはもとより、地域の経済や雇用を支える重要な役割を担っている。これまでも社会資本の整備や維持管理だけではなく、災害時の緊急対応や地域における雇用の受け皿としても、その役割を果たしていただいている。
 一方で、本道の建設産業を取り巻く環境は、若年労働者の減少や就業者の高齢化など依然として厳しい状況にあり、担い手の確保・育成が喫緊の課題となっている。
 課題解決に向け、建設産業の持続的発展が図られるよう安定的な公共事業予算の確保はもとより、技術者や技能労働者の就業環境の改善や情報通信技術の活用を通じた生産性の向上など、建設業界の皆さんと連携して取り組んでいきたいと考えている。

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