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端野高野道路が事業化/地域産業さらなる発展に期待/Local Topics 2019〈10〉オホーツク

2019/12/24付 連載・特集
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高規格幹線道路や港湾施設整備が進み、外国人観光客などの増加が見込まれる

観光産業の発展を

 ことし3月、道横断道網走線端野高野道路が待望の事業化を迎えた。管内を訪れる観光客が増加し、高速交通ネットワークの拡充が求められる中、地元の長年にわたる要望が実を結び、現地メディアにも数多く取り上げられた。
 北見道路と美幌バイパスを結ぶ延長14.3キロメートルの端野高野道路が完成することで、道横断道網走線は陸別小利別ICから女満別空港ICまでの60.5キロメートルが結ばれる。
 事業を所管する網走開建によると、女満別空港から北見市までの所要時間は、冬期間で12分の短縮が可能に。交流人口の拡大や物流の円滑化、観光産業のさらなる発展に寄与するものと期待が高まっている。

高速道路網の構築

 北見市を拠点としたオホーツク観光には毎年15万人以上が訪れており、オホーツク観光連盟は「空港からの周遊性が高まることで、さらなる増客を見込める」と展望する。
 2020年度には、女満別空港の運営権が民間の北海道エアポート(HAP)に移される。民間のノウハウを生かした新たな観光需要の創出に期待が高まる中、HAPも「2次交通の拡充により、経営戦略の幅が広がる」と歓迎する。
 北見市は観光客の増加を見込み、受け入れ体制の強化を急ぐ。今後の状況次第では大型ホテルの誘致に乗り出すとしており、「まちづくりが急速に動き出すことも考えられる」(北見市観光振興課)。
 救急医療への効果を期待する声も多い。網走開建の推計をみると、管内唯一の3次救急医療施設として地域を支える北見赤十字病院の60分カバー人口は、網走市で99%に上昇する。
 過疎地域における公立・公的病院の再編・統合がささやかれる中、「首都圏への救急搬送を支える高速交通ネットワークの整備拡充は不可欠」(医療関係者)。網走市の職員は「交通障害の発生が多い現道と比べ、救急搬送への安心感は格段に高まる」と強調する。

要請活動を強化

 端野高野道路の事業化が実現した一方で、美幌バイパスから網走市を結ぶ高規格幹線道路の整備を望む声は多い。網走市の流氷観光や世界遺産にも選ばれた知床観光は、オホーツク観光の柱となっている。
 道横断道早期建設促進期成会は「高規格幹線道路はオホーツク地域の発展に不可欠」とし、地元の声を聞きながら、さらなる整備推進を中央へ要請していく方針を示している。

北網地域の発展を

 網走港が、修築100周年の節目を迎えた。
 北網地域の物流などの発展に大きく寄与してきた網走港は、国が1919年に「避難港」として修築を開始。第2埠頭マイナス5.5メートル岸壁などの整備により取扱貨物量は大幅に増加し、78年には「重要港湾」の指定を受けた。93年には、マイナス12メートル岸壁が供用し、大型国際貨物船の対応が可能となった。
 網走港の整備が進むことで、北網地域の発展は加速。全国生産量の約17%を占める管内産の小麦は、貨物船の入港数増加や小麦貯蔵サイロ2基の完成により、全国に向け毎年約12万トン程度を輸出している。
 管内の基幹産業に発展した観光業においては、2009年に流氷観光砕氷船発着ターミナルを兼ねる「みなと観光交流センター」が完成。流氷観光砕氷船の就航が2隻体制となり、関係者によると“流氷観光”の発展に大きく寄与しているという。

多面的効果を期待

 港湾施設の整備が進んだことで、日本船籍最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」の入港が可能に。観光入込総数は15年に150万人を達成するなど、「観光産業の発展は目覚ましい」(オホーツク総合振興局)。
 網走港では現在、網走開建が堤防整備や物揚場改良などの整備を推進。港湾管理者の網走市は「地域産業・北網圏の流通、オホーツク海の国際観光資源としての魅力を高める上で、網走港の役割は非常に重要」とし、整備促進による多面的な効果を期待している。

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