ＣＣＵＳ導入 評価へ／環境配慮の認証取得で加点も／国交省 経審改正の方向性

　国土交通省は、経営事項審査改正の方向性をまとめた。労働条件の改善といった担い手確保の観点から、建設キャリアアップシステム（ＣＣＵＳ）を現場で導入している元請企業を経審で評価する方針を提示。ワーク・ライフ・バランス（ＷＬＢ）に取り組む企業の評価、建設機械の保有状況に関する評価における対象機械追加、ＩＳＯ１４００１に限らず環境への配慮に関する認証等を取得している場合に加点することなども示した。

　１５日の中央建設業審議会総会で示した。経審の改正の視点として、担い手の育成・確保、災害対応力の強化、環境への配慮を推進する観点の３点を挙げた。
　担い手の育成・確保では、現行、下請負人に使用される者の労働条件改善が元請企業の努力義務になっている一方で、経審では加点されていない状況となっている。このため、技能労働者の処遇改善につながるＣＣＵＳを導入している元請企業を経審で評価することを検討している。
　さらに、ＷＬＢについても加点評価する方向で調整。次世代育成支援対策推進法に基づき一定の基準を満たした企業を子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する「えるぼし認定」、若者の採用・育成に積極的で若者の雇用管理の状況が優良な「ユースエール認定」などを評価対象とする案を示した。
　災害対応力の強化では、現在、ショベル系掘削機、トラクターショベルなど６機種を保有している場合に経審で加点しているが、対象機種を拡大する方向で調整。建柱者やロードローラー等、実際の災害対応で活躍している建設機械を対象とすることも視野に入れ、今後、建設業団体へのアンケートにより実態把握に乗り出すこととした。
　環境への配慮では、ＩＳＯ１４００１に限らず「エコアクション２１」を加点することなども検討する。
　このほか、専任の監理技術者として配置可能な期間が監理技術者講習の受講した年の翌年の開始日から５年間となったことに伴い、経審上での加点期間もこれに合わせる形で変更することとした。