十勝川水系 整備方針見直しへ／気候変動踏まえ 夏ごろ取りまとめ／国交省 社整審河川基本小委開催

　国土交通省は、十勝川水系河川整備基本方針の見直しに向けた検討に着手する。２０１６年の大雨災害や気候変動を踏まえ、流域全体の基本高水、河道と洪水調節施設の流量配分などを見直す方針。２７日午後３時から東京都内で社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催し、議論を開始する。ことしの夏ごろまでに検討結果を取りまとめたい考え。十勝川水系の河川整備基本方針見直しは、２００７年の策定以来初となる。
　河川整備基本方針は、河川法に基づき、長期的な観点から、国土全体のバランスを考慮し、基本高水、計画洪水流量配分等を科学的・客観的に定めるもの。策定に当たっては、社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会で審議することとなっている。
　十勝川水系は、１６年の大雨によって流域地域において甚大な被害が発生したほか、気候変動の影響により、浸水面積、浸水深、浸水確率の増大が懸念されている。
　このため年平均想定被害額、想定死者数についても大幅な増加が見込まれている。
　国交省では、こうした状況を踏まえ、十勝川水系河川整備基本方針の見直しに着手。社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会で審議を開始することとした。
　見直しに当たっては、１６年の大雨災害や気候変動を踏まえ、基本高水、河道と洪水調節施設の流量配分を見直す方針。ことしの夏ごろまでに検討結果を取りまとめたい考え。河川整備基本方針を変更したのち、２０～３０年後における河川整備の目標を明確にする河川整備計画の見直しに向けた検討の本格化が見込まれている。
　このほか、２７日の会合では、阿武隈川水系河川整備基本方針の変更に関する議論も行う。