全３８施設で策定完了／予防保全へ交付金制度創設要請／道 インフラ長寿命化計画個別計画

　道は、北海道インフラ長寿命化計画（行動計画）の２０２１年度フォローアップ調査結果を取りまとめた。個別施設計画は自然公園の１分野２施設で策定。これによって３８施設分類全てで策定済みとなり、２１年度末時点での策定率は１００％となった。２１年度の主な取組をみると、女満別空港のエプロン改良工事や、個別施設計画に基づき約９万施設の点検・診断を実施。今後に関しては、予防保全型維持管理の着実な導入に向けて、点検・診断および維持管理・更新等にも活用可能な交付金制度の創設などを国に要請していく。

　北海道インフラ長寿命化計画は、国の基本計画に基づく道の行動計画で、公共施設等総合管理計画を兼ねる。計画期間は１５年度から概ね１０ヵ年。維持管理・更新等にかかる中長期的な取組方針を打ち出している。
　具体的には、トータルコストの縮減・平準化に向けた取組などを記載。従来の事後保全型維持管理を見直した予防保全型維持管理の導入検討や、ＰＰＰ／ＰＦＩ手法の積極的な活用などを示している。
　道では、計画の実効性を高める観点から、毎年度フォローアップ調査を実施。施設ごとの具体的な対応を示す個別施設計画をみると、２１年度は自然公園の１分野２施設で策定した。
　これによって３８施設分類全てで策定済みとなり、策定率は１００％に達した。
　２１年度の主な取組をみると、女満別空港のエプロン改良工事や流域下水道、石狩湾新港特定公共下水道の改築更新を進めたほか、個別施設計画に基づき約９万施設の点検・診断を実施。維持管理等にかかる基準なども全ての施設分野で策定済みとなっているが、必要に応じ順次改定している。
　このほか、橋梁の修繕工事においては、塗膜除去にネオリバー泥パック工法を用いるなど、新技術を積極的に導入。ため池の保全管理体制の強化に向けては、北海道ため池サポートセンターを設立した。
　道は、予防保全型維持管理の着実な導入に向けて、点検・診断および維持管理・更新等にも活用可能な交付金制度の創設が必要と認識。既存の補助・交付金の要件緩和等のほか、公共施設等適正化推進事業債の対象拡大など財政支援の拡充および予算の確保を国に求めるとしている。