第２ダム嵩上げなど／８月にも事業評価へ／札幌開建 雨竜川整備計画変更案

　札幌開建は２７日、札幌市内の開発局研修センターで石狩川流域委員会をウェブ会議併用で開催した。雨竜川河川整備計画の変更原案を確認。第２ダムの３.８メートル嵩上げなどのダム再生事業に加え、道管理区間における掘削等の河道整備などを盛り込むこととした。次回以降は、パブリックコメントを経た上で案をまとめ、早ければ８月に社会資本整備審議会河川分科会事業評価小委員会で費用対効果、事業費について審議を行う。
　雨竜川ダム再生事業は、雨竜川と石狩川の洪水被害軽減のため、北海道電力（株）の発電用ダムである第１・第２ダムの利水容量のうち、予備放流以上の容量振替と第２ダムを嵩上げすることで、約２５００万立方メートルの洪水調節容量を新たに確保するもの。
　 第１回の会合では、雨竜川河川整備計画変更点を確認。１８年度から着手した実施計画調査、堤体調査をもとにしたダム事業計画などについて情報を共有した。
　今回の会合では、はじめに前回委員から説明を求められたカーボンニュートラルの取組効果を説明。再生後の第２ダムの維持放流を利用すると年間６１３ＭＷｈの発電が可能となり、石炭火力発電より世帯当たり年間排出量約２００世帯分のＣＯ２排出量を抑えられるとの試算を示した。
　原案では、ダムの事業計画立案に関して、第２ダムの堤高を３.８メートル嵩上げする方針を説明。河道整備については、道管理区間と国管理区間の掘削等を実施。道管理区間である上流区間の河川整備なども盛り込んだ。
　整備中に発生する洪水に備え、流域治水の観点から堤防の整備、流域貯留施設の整備、下水道雨水管の整備について推進していくことなども新たに加えた。
　今後、パブリックコメントを経た上で、成案化する方針。早ければ８月に社会資本整備審議会河川分科会事業評価小委員会において費用対効果、事業費を審議する見通し。