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リスク情報提供義務化/代金変更等の定め明記する方向/国交省 請負契約透明化へ

2023/07/28付 DOTSU-NET NEWS
 国土交通省は27日、東京都内で中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会の第3回会合を開催した。請負契約の透明化による適切なリスク分担では、現行の建設業法の規定に加え、契約締結前の受注者からのリスク情報提供の義務化や、契約書に価格変動等の請負代金の変更等の定めを明記する方向性を確認。賃金引き上げに関しては、請負契約締結の際における労務費の相場観を示すとともに、単位施工量当たりの標準的な労務費を「標準労務費」として、中建審が勧告を行うとした。

 国交省は、建設産業における諸課題のうち、制度的な対応が必要となる事項の具体化に向けて検討。今回は①教育関係者からのヒアリング②請負契約の透明化による適切なリスク分担③賃金引き上げ④働き方改革―の4点を議題とした。
 ①では、工業高校の教諭が「生徒が就職先を選ぶ際に重視する点」や「生徒・教職員が建設業界に期待すること」などを情報提供。重視する点については、労働条件、年収、将来性に加え「業界に入職した先輩の実際の話を重要視している」とした。
 ②は、設計変更が生じた場合、請負代金額および工期の設定について必要な契約変更を行うことが現行の建設業法上でも規定されているが「契約締結前の受注者からのリスク情報提供の義務化や、契約書に価格変動等の請負代金の変更等の定めを明記」することが必要と整理。これらにより、協議を通じた契約当事者間のパートナーシップの構築を図るとした。
 一方、契約当事者間での協議に当たって、契約主体によってはリスク管理・対応能力に偏りが生じる場合が想定されることから、多様な契約形態や契約主体による制度運用を円滑化するため、ガイドライン等で明確化し、周知徹底していく必要性を共有。また、オープンブック・コストプラスフィー方式による標準約款を新たに制定することで、請負契約締結の際の選択肢の一つとすることを目指すとした。
 ③では、労務費を原資とする廉売行為を制限するため、受注者に対し不当に低い請負代金を禁止し、違反した場合には行政から勧告等を行うことで実効性を担保する考えを説明。請負契約締結の際における労務費の相場観を示すとともに、廉売行為を規制する際の基準とするため、単位施工量当たりの標準的な労務費を「標準労務費」として、中建審が勧告するとした。
 賃金の行き渡りの確認に際しては、まずは公共工事において、CCUSの活用を念頭に下請を含めた受注者における技能者登録・賃金の支払い状況・施工体制等についての確認を行う方策を検討・試行する。
 ④をみると、建設工事の請負契約の適正化に関わる情報を調査・整理し、公表することができるよう法令上の根拠規定を措置するとともに、組織体制を整備。さらに、施工体制を「見える化」することで責任の所在や役割を明確にする観点から、国がICTの活用を念頭に建設工事の現場を適切に管理するための指針を作成し、特定建設業者に順守させることを制度化する方向性を示した。

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