先進的な取組５５件紹介／作業の効率化、安全確保など／開発局 ｉ―Ｃｏｎ奨励賞事例集

　開発局は、ｉ―Ｃｏｎ奨励賞２０２３の取組事例集を作成した。生産性の向上に優れた取組を通じ、見事受賞を果たした工事２９件、業務２６件の事例を写真と共に詳細に紹介。具体的には、最新技術の先進的な導入による作業の大幅な省力化・効率化、安全性確保、広く普及が見込まれる事例などを掲載している。
　開発局は、建設現場における生産性向上に優れた取組を表彰することで、インフラＤＸ・ｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ導入に向けた意欲向上を図ることを目的として、２０年度にｉ―Ｃｏｎ奨励賞を創設した。
　２３年度の受賞件数をみると、工事２９件、業務２６件。工事では、荒井建設（株）（旭川）、赤川建設興業（株）（旭川）、岩田地崎建設（株）（札幌）が２年連続の受賞となった。業務は、（株）北開水工コンサルタント（帯広）が４年連続での受賞を果たした。
　事例集は、インフラＤＸ・ｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎの導入に向けてチャレンジする地域の企業や地方公共団体の参考になることを期待して作成しているもの。工事編、業務編に区分した上で「生産性に資する有効性が認められる取組」「技術の向上や新たな取組に努め、先進性が認められる取組」「他の模範として波及性が認められる取組」「困難な条件を克服して、生産性向上に資したと認められる取組」「特に顕著な効果が認められた取組」の項目別の推薦理由を示している。
　連続受賞を果たした企業のうち、岩田地崎建設が施工した「勇払東部直轄災害復旧事業厚真ダム復旧工事」（室蘭開建発注）では、施工期間に制限が伴うダム取水放流施設の造成に際し、プレキャスト埋設型枠を用いた施工を実施。これまで必要だった型枠設置に必要な足場や支保工等の省略が可能となり、労働災害リスクの低減とともに工期の短縮が図られた。
　北開水工コンサルタントが履行した「江別河川事務所管内河川管理施設監理検討試行業務」（札幌開建発注）は、堤防点検・巡視においてＡＩ技術を導入。異常個所の自動検出を可能とし、作業の効率化に資する有効性を図った。ＡＩ技術の活用については、他の河川巡視項目においても応用が可能と考えられ、広く普及が期待されることも高い評価を受けた。
　取組事例集は、同局ホームページで公開。ｉ―Ｃｏｎ奨励賞のページからアクセスできる。