受注者希望型ＩＣＴ試行／受発注者双方の働き方改革推進へ／業務改善プログラムで道農政部

　道農政部は、農業農村整備事業に係る受発注者双方の働き方改革を推進する観点から「業務改善プログラム」に基づく施策を展開している。２０２３年度は、新たに施工管理業務の省力化に向けた工事や受注者希望型によるＩＣＴモデル工事を各振興局で試行。基本設計の効果的な導入をはじめとする各種業務の効率化・平準化も図り、限られた人員体制にあっても事業を着実に実施できるよう努めていく。

　農業農村整備事業を巡っては、農家戸数の減少による経営規模の拡大や頻発する大規模自然災害への対応といった課題が山積。一方で、地域からの整備要望は増加しており、建設業における時間外労働の上限規制の適用まで１年を切っていることからも、受発注者双方の労働環境改善と業務の効率化が求められている。
　同部では、１９年度に「働き方改革に対応した業務改善プログラム」を策定。発注者の業務と受注者に依頼する業務の双方の内容を見直し、全体を包括して効率化するもので、取組の柱に「業務の効率化」「業務の平準化」「技術力の向上・継承」の３点を掲げている。
　本年度の主な取組をみると、施工管理における業務の省力化を試行。全道５７件の工事を対象に、段階確認内容や管水路の管番号の簡略化、工事旬報作成の省力化に取り組み、受注者向けのアンケート調査などを通じてその有効性を検証する。
　情報通信技術活用の検証としては、掛かり増し経費を設計変更で計上する受注者希望型のＩＣＴモデル工事を実施。受注者に対するアンケートも行い、２６年度からの本格運用に向けて課題を整理する。
　円滑な事業実施に当たっては、委託成果品の質の向上も目指す。具体的には、過年度の実施状況を整理した上で基本設計の効果的な導入を促進。このほか、各振興局が策定する中長期の整備構想を見える化した「整備カレンダー」のさらなる活用を促していく。