労働者の高齢化進む／建設業 厳しい実態明らかに／業種別業況動向調査４～６月期 － 道経済部

　道経済部は、２０２３年４～６月期の業種別業況動向調査結果をまとめた。道内経済・産業団体のうち、北海道建設業協会（岩田圭剛会長）の回答内容からは、若年層の入職が少なく、労働者の高齢化が進むなど工事現場の厳しい実態が明らかに。２４年度からは建設業においても時間外労働の上限規制が適用となることから、早急な対応が求められている。
　道では、各業界団体の動向や課題などに係る調査を四半期ごとに実施。４～６月期分として、聞き取りおよびアンケート形式で７月に行った調査の結果を取りまとめた。
　道建協では、業況感に関し１～３月期の調査と同様に「悪い」を選択。資材は依然として調達が困難な傾向にある中、価格は前回調査時の「上昇傾向がやや弱まっている」から「上昇傾向が続いている」に転じた。
　収益の動向については「減少傾向が弱まっている」と回答。減少理由は「完成工事高の減少」が６９.５%と最も多く、次いで「資材価格の上昇」が６５.９％、「人件費の上昇」が５２.４％となっている。
　人手不足の状況をみると、従業員の充足度合いは正規・非正規いずれも「非常に不足」。若手労働者の入職が少なく、現場労働者の高齢化が進んでいることから「非常に深刻な影響を受けている」と回答している。
　人手不足の緩和に向け、道建協では若手労働者の入職促進のため現場見学会やインターンシップといった入職意欲の喚起につながる事業を実施。併せて、労働環境の改善に努めている。