有事に備え防災力向上／日本海溝沿い地震・津波想定で／開発局 総合防災訓練

　開発局は１５日、２０２３年度総合防災訓練を実施した。日本海溝沿いの巨大地震・津波を想定したもので、本局や各開建、防災関係機関が連携し、本番さながらの雰囲気で有事の際の初動対応などを確認。災害対策用ヘリコプター「ほっかい」や、移動型衛星通信車「Ｃａｒ―ＳＡＴ」を実際に出動させるなど、防災ＩＣＴを活用した実践的な訓練を通じ、防災力の向上を図った。
　訓練は、災害対応に係る情報収集、伝達、状況判断、意思決定などを確認するとともに、応急対策の検討等を行うことで、適切な初動体制の確立と災害対応の充実・強化を図ることが目的。災害対策本部は本局に設置した。
　今回は、日本海溝沿いにマグニチュード９クラスの超巨大地震が発生した状況を想定。初動対応マニュアルに基づき、防災ＩＣＴの活用による実践的な対応、職員派遣体制、防災関係機関との情報共有体制などを検証した。
　災害対策用ヘリコプター「ほっかい」では、実際に被災状況に関する調査フライトを実施し、上空から撮影した映像を災害対策本部に配信。河川、道路、港湾、防災の職員が搭乗し、室蘭市上空、苫小牧市上空などから被災状況を報告した。
　移動型衛星通信車「Ｃａｒ―ＳＡＴ」は、胆振・日高地域道路啓開計画（初版）の広域移動ルートである道央道が通行止めになった状況を想定し、苫小牧方面へのルートとなる３６号を走行。道路状況をリアルタイムで映像配信するとともに、現地状況の報告を行った。
　これらの映像・音声は、防災情報共有システムで市町村および関係機関にも配信。ＴＥＣ―ＦＯＲＣＥドローン班による地震・津波浸水等の被害状況確認も行い、職員たちは真剣な面持ちで手順を確認した。