３月以降入札分から試行／７千万以上の農業土木全て／道農政部 ＣＣＵＳ活用モデル

　道農政部は、２０２４年３月１日以降入札分から建設キャリアアップシステム（ＣＣＵＳ）活用モデル工事の試行を開始する。予定価格７０００万円以上の農業土木工事について、原則全ての工事を対象とし、基準を全て達成した場合に工事施行成績評定で１点を加点。カードリーダーの購入をはじめとする費用に関しては設計変更で計上する。

　ＣＣＵＳは、建設技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積するもの。公共工事の品質確保のため、優れた技能と経験を有する技能者を将来にわたって確保・育成する必要があることから、技能等に応じた賃金支払いや処遇改善などにつなげる目的で、国土交通省が１９年度に本格運用を開始した。
　道では建設部に続き、農政部においてもＣＣＵＳの活用を目的としたモデル工事の試行に乗り出す。
　ことし３月以降に入札を行う予定価格７０００万円以上の全ての農業土木工事が対象で、入札公告および特記仕様書にはモデル工事に該当する旨を明記する。
　対象工事においては、受注者が工事着手前にＣＣＵＳ活用に取り組む意思を示した場合、「事業者登録」「管理者ＩＤ登録」「技能者の就業履歴の蓄積」など評価対象項目ごとに定めた判断基準の達成が確認できれば、工事施行成績評定の創意工夫で１点を加点する。
　カードリーダー設置費用および現場利用料については発注者負担とし、設計変更で対応。継続的な活用の観点からリースの場合を除くほか、パソコン・タブレットといったカードリーダー以外の機器や通信費は計上しない。
　同部では、アンケート調査を通じて課題の検証・検討を行うとしている。