働き方改革 必要性の説明欄新設／施工時期平準化の利点紹介／夏工事推進へリーフレット更新 － 道農政部

　建設業における罰則付き時間外労働の上限規制開始が迫る中、道農政部は夏工事のさらなる推進を目指す。２０２２年に作成したリーフレットを更新し、業界としての働き方改革の必要性を説明する欄を新設。年間の面工事割合と平均気温・降水量のグラフを上下に配置するなど、視覚的なアプローチも取り入れながら施工時期の平準化が品質の高い工事につながることを紹介している。新規地区や継続地区といった地元調整の際にリーフレットを活用しながら、さらなる理解促進に努めていく。
　夏工事は、融雪後の工事可能日から８月上旬のコムギ収穫時期までに工事が完成する農地整備。同部では、２２年度からの取組拡大に当たってリーフレットを作成しており、農家や関係団体との調整に活用してきた。
　全道展開２年目に当たる２３年度は、５振興局で計２８地区、約２７８ヘクタールを実施。前年度から５地区、７１ヘクタールの増加となっており、丁寧な地元調整や周知によって施工時期の平準化が浸透してきている。
　一方で、時間外労働の上限規制適用を４月に控えるなどさらなる取組の推進が必要なため、同部はリーフレットのバージョンアップを企画。上限規制の概要を明記するとともに、建設現場の労働環境向上の観点からも「休みが取得でき、施工品質も確保できる」余裕ある工事への転換を図ることを伝えている。
　このほか、オホーツク・十勝を例に４月から１１月までの面工事割合と、年間平均気温や降水量のグラフを対比。ピーク月の工事量を減少させ、夏工事を増やすことで、少雨・高温の適期施工が可能となるメリットを視覚的に分かりやすく伝えている。
　同部では、業界から早い時期の工事着手による切れ目のない施工可能期間の確保が求められている状況も踏まえ、「地元の理解をいただきながら平準化を進め、品質の良い工事をしていきたい」と話している。