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AIでの損傷検出「有効」/道路付属物点検の研究成果/柿崎開発局長と長谷山北大副学長

2024/04/30付 DOTSU-NET NEWS
 開発局の柿崎恒美局長と北海道大学の長谷山美紀副学長は26日、札幌第1合同庁舎で「XAI(Explainable AI)による道路付属物点検の高度化」に関する研究成果等について共同発表した。道内の国道などに設置されている道路付属物に関し、AIが自動で補修時期や内容を判断するシステムの開発を目指す取組。現在は、数パターンある損傷事例のうち「腐食」に限定した実験を進めているとし、従来の人力ではなく、ドローンから撮影したデータによるAI診断においても損傷の検出が有効であることを示した。本年度は対象となる付属物、損傷の種類を拡張して実験を進める。
 開発局では、全道約6900キロメートルの道路を管理。ここには約24万基にも及ぶ固定式視線誘導柱、標識、照明等の道路付属物が設置されている。
 これらの施設は5年ごとの点検が義務付けられているが、膨大な労力と時間を要している状況。昨今の労働力不足といった社会的な背景も相まって道路付属物点検の高度化・効率化は喫緊の課題となっている。
 こうした背景を踏まえ、北大大学院情報科学研究院の長谷山・小川研究室では、開発局が保有する道路付属物に係る損傷劣化に関する点検記録等について、同研究室が開発したXAI(Explainable AI=説明可能なAI)を活用することにより、道路付属物点検の効率化を目指した研究を進めてきた。
 当日は、最初に柿崎局長が道路付属物点検の高度化が必要な背景、連携協定の趣旨などを説明。現状では、高所作業車や伸縮カメラといった人力による診断が基本となっており、1基当たりの点検には現在30分程度を要している状況にあるという。
 長谷山副学長は、これまでの研究開発の流れとして、2022年10月に道路標識の点検画像を対象とした損傷検出AIを構築し、数パターンある損傷事例の中からまずは「腐食」を対象に実験を進めてきたことを紹介。実験により、ドローンから撮影したデータによるAI診断においても、96%の精度で損傷の検出が有効であることが確認されたとした。
 24年度は、新たに30基の付属物の映像を取得する予定。道路照明、道路情報提供施設への対応も確認する。損傷の種類は、変形・欠損、ゆるみ・脱落にも拡張する。
 柿崎局長は、実装に向けては課題があるとしたものの「成果としては着実に上がってきている」と説明。長谷山副学長は「24年度以降も開発局との強固な連携体制により、道路付属物点検の効率化、地域の中核となるデジタル人材の育成に貢献していく」との考えを示した。

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