増収増益も楽観視せず／取締役３氏迎え一層力強く／北保証 和泉社長が会見

　北海道建設業信用保証（株）の和泉晶裕社長は２６日、同日に札幌市内のホテルで開催した定時株主総会ならびに取締役会のあと、記者会見に臨んだ。和泉社長は２０２３年度（７２期）の収入保証料が１７.３％増、純利益が８２.７％増となり増収増益を達成した一方で、主因となる北海道新幹線関連工事の堅調な推移が「長く続くものではない」と前置きした上で、資機材価格や人件費などの高騰が続く地域建設業への影響に懸念を示し「決して楽観視はできない」と冷静な姿勢を示した。

　株主総会では、７２期決算が前期比で増収増益となるなど各計算書類が承認されたことを報告。前払金保証の保証料は９.８％増、契約保証の保証料は４４.６％増で、合算した収入保証料は１７.３％増の１６億７３５９万円に。
　保証事故は前払金保証、契約保証共に発生しておらず、営業外収益や特別利益、特別損失など全てを合算した純利益は８２.７％増の６億９９３５万円となった。
　増収増益の主な要因としては、堅調に推移する北海道新幹線関連工事が挙げられるほか、札幌市の駒岡清掃工場や美唄市の病院建て替え、中富良野町の小・中学校改築、稚内市の庁舎建設など「自治体の動きも追い風になった」と述べた。
　役員人事では、取締役２氏の退任に伴い３氏を新任したほか、任期満了となる監査役は１人を交代、１人を再任。株主総会後の取締役会で、新任の高橋雅樹取締役を総務企画部長として委嘱するなど新体制を整えた。
　和泉社長は新メンバーを迎え「さらに力強い体制になった。業界への各種支援をはじめ、一丸で取り組んでいく」と決意を示した。