トップページ > DOTSU-NET NEWS一覧 > DOTSU-NET NEWS詳細

各種事業効果が発現/岩見沢北村地区で情報化施工/道内初 先端技術対応実証事業 - 札幌開建

2025/05/08付 DOTSU-NET NEWS
 札幌開建が、農地再編岩見沢北村地区で進める「先端技術に対応した農地整備手法等の確立・体系化」に資する情報化施工の取組に関し、既に各種の事業効果が表れている。当該地区は2021年度から施工が始まり、23年度からは道内初となる実証事業が始動。24年度は、豊正23区など全5区を対象にドローン測量やICT建機を用いた施工を実施した。全国からも見学者が訪れる実証事業に関し、施工業者からは「誰でも簡単かつ正確に施工することができる」などと効果を実感する声が上がっており、業界が抱える担い手不足の解決や働き方改革の実現にも大きく寄与するものと期待されている。

 わが国の農林水産業を取り巻く状況は、人口減少に伴う農業者や技術者の不足によって大きく変化。ICT活用や農林水産業のグリーン化等を推進し、持続可能な成長につなげていくことが重要になっている。
 農地整備でも新たな土地改良長期計画に基づき、情報化施工等のICTの活用による事業実施や営農・維持管理の省力化・高度化を図ることが急務に。政策課題の実現のため農林水産省は、23年度から27年度までの5ヵ年を実施期間とする先端技術導入実証事業を創設した。
 対象は国営農用地再編整備事業の実施地区で、国費率100%。道内では、札幌開建が所管する岩見沢北村地区と、旭川開建所管の旭東地区で実証事業を進めている。
 岩見沢北村地区は、道内第1位の水稲作付面積を誇る有数の穀倉地帯。岩見沢市によって高精度測位情報の配信が可能な基地局が設置されるなど、自動操舵システム等の導入によるスマート農業が積極的に推進されている。
 実証事業の創設を受け23年度には、3次元化に関する区画整理設計等業務を実施。省力化・高度化の効果、モデルの詳細度なども含めた工事への活用方法、営農、維持管理への活用方法などを確認した。さらに、過去に実施した自動走行農機等に対応したターン農道、排水路の暗渠化といった施設整備に関し、その構造や機能が適しているかを併せて検証した。
 23年度の業務をもとにした情報化施工が24年度からスタート。24年度は、岩見沢北村地区豊正区を対象に、発注者指定型を1件、受注者希望型を4件発注し、全ての工事で情報化施工が行われた。
 24年度の実施内容をみると、ドローン測量やICT建機を使用した施工を実施。施工業者からは「ベテランとのスピード感で比べるとやや劣ってしまうが」と前置きしつつ「誰でも簡単に測量や施工を正確な精度で進められることは大きな強み」と強調。業界が抱える担い手不足や働き方改革などの諸課題に対し「効果を実感している」と話す。
 25年度も情報化施工を継続しており、岩見沢北村地区豊正区で整備を進めている。引き続き、区画整理で実証事業を行っており、発注者指定型1件、受注者希望型7件を発注。同地区は、25年度から工事のピークを迎えており、流動的な要素を残すが、次年度以降も同数程度の工事発注が見込まれる。
 岩見沢農業事務所の本保利征所長は「この実証事業をスマート農業につなげていきたい。そうすれば施工業者だけではなく、農家が抱える人手不足などに少しでも貢献することができる」と、連携の重要性を説く。全国に先駆けて事業を展開している開建は、ICTの活用を積極的に推進し、農林水産業の持続可能な成長を図っていく。

その他のDOTSU-NET NEWS 一覧

首位は宮坂建設 34億/本紙集計 受注総額1199億/主要3機関 ゼロ国・翌債等工事実績

2025-05-07付 DOTSU-NET NEWS

 開建、建管、振興局農業の道内主要発注3機関における2024年度ゼロ国債・翌債等工事業者別受注実績が、本紙集計でまとまった。首位は、開建で10件、31億4317万円、建管で1件、2億6320万円の計11件、34億637万円を受注した宮坂建設...

実施率87%4623件/24年度末 CN会議まとめ/インフラゼロカーボン取組状況 ‐道内発注5機関

2025-05-07付 DOTSU-NET NEWS

 道公共調達におけるカーボンニュートラル(CN)連絡会議は、2024年度3月末時点の北海道インフラゼロカーボン試行工事の取組状況をまとめた。対象工事5317件のうち、実施件数は4623件。実施率は前年度同期を5ポイント上回り、87%に上って...

1545件、2087億/本紙集計 金額で142億上回る/主要3機関4月末工事発注額

2025-05-01付 DOTSU-NET NEWS

 開建、建管、振興局農業―道内主要発注3機関の4月末工事発注額は、本紙集計で1545件、2087億6500万円余りとなっている。前年度同期との比較では、件数で30件下回り、金額で142億800万円余り上回った。開建と建管は件数で下回ったもの...

受注高 52.5%増2530億/2月道内工事受注動態調査 - 国交省

2025-05-01付 DOTSU-NET NEWS

 国土交通省は、2025年2月の建設工事受注動態統計調査結果をまとめた。本道の受注高は、前年同月比52.5%増の2529億6900万円。内訳をみると、元請受注は54.3%増の1874億8600万円となった。下請受注は、47.5%増の654億...

首位は新栄クリエイト/本紙集計 3億以上受注46社/振興局農業 24年度工事実績

2025-04-30付 DOTSU-NET NEWS

 道の振興局産業振興部が発注した農業農村整備事業の2024年度工事業者別受注実績が、本紙集計でまとまった。首位は8件、10億5399万円を受注した新栄クリエイト(株)(札幌)。2位以下をみると、4件で9億5570万円の(株)砂子組(奈井江)...

川﨑氏は瑞宝小綬章に輝く/関氏と佐藤氏が瑞宝中綬章/春の叙勲受章者

2025-04-30付 DOTSU-NET NEWS

 令和7年春の叙勲受章者が発令された。道内居住の受章者は216人。建設関係の主な受章者をみると、元国土交通省北海道局長で岩田地崎建設(株)(札幌)代表取締役副社長の関博之氏と、元開発局建設部長で(株)ドーコン(札幌)相談役の佐藤謙二氏が国土...

首位 伊藤組土建19億円/本紙集計 5億円以上36社に/建管発注工事24年度業者別受注実績

2025-04-28付 DOTSU-NET NEWS

 全道10建管の2024年度工事業者別受注実績が本紙集計でまとまった。首位は、札幌、小樽、室蘭、帯広の4建管から計4件、19億1947万円を受注した伊藤組土建(株)(札幌)。2位以下は、7件、13億4323万円を受注した松谷建設(株)(北見...

土工河川浚渫 原則化の具体記載/舗装はWTO等で指定型/25年度ICT活用工事実施要領 - 開発局

2025-04-28付 DOTSU-NET NEWS

 開発局は、独自の2025年度ICT活用工事実施要領を取りまとめた。原則化した土工、河川浚渫工における施工技術の具体的な内容や、工事成績評定の取り扱いなどを記載。これまで1点または2点を付与してきた加点措置は、25年度完了分までとすることを...