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夏の高温対策を検証/地下かんがい推奨へ調査推進/パイプライン化で水温評価 - 道農政部
2025/12/05付 DOTSU-NET NEWS
道農政部は、夏の高温等に適応する農業農村整備の進め方について検討しており、本年度から水田地帯におけるパイプライン化した用水の水温評価を進めている。調査期間は2026年度までの2ヵ年。用水の水温に及ぼす影響を明らかにするとともに、水田での水温や水稲の生育、収量、品質への影響を評価し、パイプライン化による新たな水利用の有効性を調査する。近年、地球温暖化に伴う異常気象で記録的な高温や集中豪雨などが頻発。道内では、23年6月から8月までの気温が1946年の統計開始以来1位、2024年は2位を記録した。
猛暑によって、高温に起因する生育不良や病害虫の発生など、本道農業への影響が顕在化する中、道では技術普及部門を中心に、試験研究機関や関係団体等との連携による「地球温暖化に対応する技術開発・普及に関する検討会」を23年度から開催してきた。
ことし8月には、同部とオホーツク総合振興局がオホーツク管内で農業事情現地調査を行った。鈴木賢一部長らが参加し、北見市内のJAところのタマネギ茎葉処理施設や、佐呂間町のデントコーンと牧草(チモシー)のほ場を視察。地域からは畑地かんがいの効果を再確認する声が寄せられたほか、今後の基盤整備の推進を求める声が上がっている。
基盤部門においてもこれまで、異常気象時における基盤整備事業の効果発現について調査を実施。高温少雨下にあってもかんがい施設を整備した地域では未整備地域と比べ収量・品質が良好だったことなどを確認している。
同部は、23年の猛暑を受け生産者への聞き取りを実施したところ「水路のパイプライン化により、水温の低い用水を取水することができた」「暗渠の集中管理孔を活用した地下かんがいにより、地温を下げることができた」との意見が上がった。
意見を定量的な成果として整理するため、本年度から「水田地帯におけるパイプライン化した用水の水温評価」を実施している。
調査期間は本年度からの2ヵ年で、調査地域は滝川市(空知土地改良区区域)、調査は中央農業試験場農業環境部が担当。パイプライン化した管水路と水面が表面に出た開水路のそれぞれで、用水の水温に及ぼす影響を明らかにするとともに、水田での水温および水稲の生育、収量、品質に及ぼす影響を評価する。
調査内容をみると①用水水温実態調査②水田水温と水稲への影響解析③高温に適応するパイプライン用水のかんがい方法の検討―の3点。このうち①では、用水水温モニタリングと昇温抑制効果の解析、②ではほ場水温モニタリングと水稲生育、収量調査を行う。
①と②は25年度と26年度、③は26年度に調査を行う。今回の調査で得られた知見については、技術普及部門と連携を図りながら関係機関や生産者に情報提供する。
同部では「北海道農業農村整備推進方針」の中の生産力・競争力を強化する整備として、用水路のパイプライン化と暗渠の集中管理孔を活用した「地下かんがい」を推奨しており、併せて高温対策の効果検証に向けて調査を進めていく考えだ。
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