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宗谷発展へ交通網整備促進/異常気象など危機管理対策に万全/新任副局長リレーインタビュー【5】 <稚内建管> 田中 洋海氏

2017/09/08付 連載・特集
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田中 洋海氏

たなか・ひろみ 昭和58年室蘭工大土木工学科卒。平成21年建設部河川課主幹、23年帯広建管地域調整課長、25年留萌建管事業室長、27年建設部砂防災害担当課長。
 昭和35年5月8日生まれ、57歳。芦別市出身。

―新任の抱負について

 地域を元気するためには、職員一人ひとりが「地域をよく知り、地域の声をよく聴き、地域とともに行動する」といった基本姿勢のもとで、地域の皆さんと一緒に考え、汗を流し、様々な課題解決に取り組んでいくことが何よりも重要であると考える。
 役人は人の役に立ってこその役人。私自身も現場の職員の一人として、地域に期待され、喜んでもらえるよう、職員と一緒になって宗谷のさらなる利便性の確保に全力を挙げて取り組んでいきたい。
 近年は異常気象が頻発化・常態化しており、昨年は宗谷管内を含め道内で未曾有の災害が発生した。建管ではインフラ整備のほか、こうした異常気象時には適時・適切に防災対応に当たるという重大な役割を担っているので、危機管理対策にも万全を期していきたい。

―管内の印象について

 留萌での勤務は経験しているが宗谷は初めて。赴任の際には、日本海やその向こうの利尻富士、広大なサロベツ原野などを眺め、この風光明媚な宗谷の魅力を多くの人に知ってもらいたいと感じた。
 ほかにも、ウニなど豊富な水産資源や生乳などおいしい食べ物も味わえることから、観光など多くの可能性を秘めた地域であると認識している。
 地域の皆さんと連携しつつ、必要な社会資本整備や施設の維持管理などを通じて、こうした宗谷の魅力を引き出していきたい。

―本年度の主要事業について

 道路では、道路交通ネットワークの強化に向け、稚内猿払線などの整備を推進するとともに、安全確実な交通確保のため、沓形仙法志鴛泊線の現道拡幅、稚内天塩線などの防雪柵、船泊港利礼公園線の落石対策等を進める。
 治水では、洪水被害の未然防止や軽減を図るため、クサンル川の改修やオチウシナイ川の砂防えん堤の整備を進めるほか、土砂災害警戒区域等の指定を推進するため、基礎調査を重点的に実施する。
 漁港では、安定的な水産物の供給体制の確保や漁業者の就労環境の改善を図るため、頓別漁港などで防波堤や船揚場等の整備を進めるほか、富磯漁港をはじめとして施設の長寿命化を図るための機能保全を進めていく。

―今後、管内の発展を見据えて必要な公共事業について

 安全で円滑な交通ネットワークの形成は、産業や経済の発展の基礎となる物流・観光ルートや高度医療機関への輸送ルートなど、地域にとって欠かすことのできないものであり、引き続き整備を推進していく。
 また、自然災害に対する備えは、地域住民の安全で安心な暮らしを確保する上で大変重要であることから、引き続き地吹雪対策としての防雪柵の整備や、大雨による洪水被害、土砂災害の防止などに向けた施設の整備などに取り組んでいく。
 ただ、予算はどうしても限られるので、土砂災害警戒区域の指定や民間との情報連絡体制の確立、自治体の首長とのホットラインの設置など、まずはソフト対策でフォローしていくことが大切になる。

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