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地域ニーズ 的確に把握/建設業と連携し生産性向上を/新任副局長リレーインタビュー【3】留萌建管 勝谷 裕 氏

2018/07/06付 連載・特集
留萌建管 勝谷 裕 氏 画像
 勝谷 裕(かつや・ゆたか)氏
 昭和60年3月都留文科大文学部卒。同年4月留萌土現を振り出しに、平成26年檜山振興局地域政策部長、28年建設部建設政策局建設管理課長を経て、ことし4月現職。
 昭和37年10月24日生まれ、55歳。札幌市出身。

―新任の抱負について

 ことしは、本道が「北海道」と命名されて150年目の節目の年。この広大、積雪寒冷の地で歴史を育むことを可能としてきたのは、先人が着実に広域交通や地域内交通のネットワークをはじめ、治水や防災施設などといった社会資本の整備、維持管理を行ってきたおかげだと考えている。
 引き続き、地域の皆さんの安全・安心の暮らしや力強い経済活動が可能となるよう、社会資本の整備、日常的な維持管理、防災対応などに着実に取り組むことが我々の使命だと考えている。
 こうした使命を果たすため、本部、出張所が一体となって、地域のニーズを的確にとらえながら、業務を進めていきたい。

―管内の印象について

 昭和60年から平成4年まで、当時の留萌土現に新規採用職員として勤務して以来、2度目の勤務になる。
 「風」や「街並み」など昔と変わらずとても懐かしく感じるところがある一方、人口減少が進行する中、地域創生に向けて地域資源を生かしながら、当時にはなかった様々な新たな取組が行われているんだなと感じる面がある。

―本年度の主要事業について

 留萌建管の30年度当初予算は約30億円となっている。道路関係事業では、交通ネットワークの形成を目指して、上川北部圏およびオホーツク圏と留萌北部圏の短絡ルートを形成する名寄遠別線の整備を引き続き進めるとともに、国道232号を補完し地域間の交通アクセスを向上させる留萌小平線の線形改良や大椴線の現道拡幅を進める。
 また、冬期間の安全な道路交通確保に向け、稚内天塩線や築別炭鉱築別停線などで防雪対策事業を進めるとともに、稚内天塩線で橋梁の長寿命化対策に取り組んでいく。
 街路事業としては、3・4・18見晴通で、用地測量・物件補償を進めていく。
 治水関係事業では、洪水対策として、古丹別川や初山別川などの河川改修事業を進めるとともに、土砂災害に備えるため暑寒別川や北産士小学校沢川などの砂防事業、留萌南町4丁目2地区の急傾斜地崩壊対策事業、基礎調査の実施および土砂災害警戒区域の指定を引き続き進めていく。
 また、管内の主要産業の一つである漁業の振興を図るため、別苅漁港の防波堤改良、初浦漁港などの航路浚渫を行うとともに、苫前漁港海岸の高潮対策に継続して取り組んでいく。

―建設業界へ一言

 建設業界はこれまでも社会資本の整備や維持管理、除雪、災害対応などを担うとともに、地域における雇用の受け皿や地域振興の担い手として重要な役割も果たしていただいている。
 一方で、将来にわたってこうした役割を担い続けていただくためには、担い手の確保が喫緊の課題となっている。
 課題の解決に向けて、安定的な公共事業予算の確保はもとより、建設産業における就業環境改善や生産性の向上に、建設業界の皆さんと連携して取り組んでいきたいと考えている。

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